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好きですよ。だって科学少年でしたから。

もちろん、全ての少年少女たちがそうであるかはわかりませんが、少なくとも僕はこういったロマンを求めていました。不思議なちからで浮遊するグラス『Levitating Cup』は、シカゴのデザイナーJoel Paglioneが開発し、DISCOVERにて出資を募っているプロダクトです。

まるでSF映画に出てきそうな浮遊するグラス。それがリアルに想造され、そして世に送り出されようとしています。



構成物はグラスと、グラスを浮かせるためのベース(台座部)。そして、ベース充電用のACアダプタといくつかの付属品とシンプルです。

プロダクトページによると、グラスは「電磁サスペンション」というしくみでバランスを取りつつ浮遊するとのこと。グラスの底部をベースの中央に近づけると反発し、その周囲にずらすとくっつくことから、ベースは巨大な磁石や電磁石となっているようですね。

幼いころ、磁石をくっつけたり反発させたりして遊んだ方も多いでしょう。ひょっとしたら、磁石の上にオモチャを乗せれば、浮かべることができるのではないだろうか? もし、そのしくみを利用すれば、僕らも空に飛べるのではないだろうか! その心、大事です。そしてこれが、それです。


グラスを浮かせるにはコツが必要

グラスを浮かべるためにはちょっとしたコツが必要です。基本的にはベースの中央にグラスを置けば良いのですが、少しでもズレるとベースにガチリ!とくっついてしまいます。かなりビンカンで繊細です。



そこで、ベースの中心にグラスを配置できるようなサポーターユニットが付属しています。こちらを使えばベース中央に正確にグラスを配置できますが、取り外す時にゆっくり水平に引き抜かないとガチリ! ひじょーーーーーにビンカンです。



見事浮きました。ハンドパワーで時空をとらえました。Now!

コツをつかむまではサポーターユニットを使っても、ガチリ!することがあるため、グラスは空の状態で挑むことをおすすめします。



浮かんでいる状態は磁場が安定しています。このようにお菓子を入れた状態で手を突っ込んで、中身をつまみ出してもOK。少しくらい縁に触った程度ならば倒れませんでした。



ドキドキしながらジュースを注いでみました。やはり浮いている状態は安定しているので問題ありません。また、重量が加わっても浮力が負けてグラスがベースにくっつくようなことはありませんでした。ただし、1点気をつけなくてはならないこととして、ベースユニットは「非防水」なのです。

万が一、水やジュースが入っていて、ガチリ!とバランスが崩れたとしたら……。気をつけましょう。もう一度言います。グラスは浮かせられて、水も入れることができますが、絶対にこぼしてはいけません。



グラスに注いだジュースを飲もうと手に取る。

なんてことは、よく訓練された『Levitating Cup』使いではないかぎり、やってはいけない行為です。手に持った瞬間にベース周囲に発生している強力な引き寄せる磁力によって、ガチリ!となります。液体類を注ぐ時は、半分までにしておきましょうね。なみなみと注いではいけないのです。

SとN、プラスとマイナス、静と動、そしてグラスと非防水。相まみえる2つの要素を内包した存在です。


浮かせたい。だってグラスが浮く時代になったんだもの



で、結局は浮かせるとどうなの?

というところですが、これはきっと浮くこと自体に意味があるのです。普段飲んでいるジュースやビール、お菓子、ナッツなどが不思議なちから(磁力)で浮くのです。浮かせるとどんないい事があるの?なんて野暮なこと聞いちゃダメなのです。

浮くのです!



プロダクトページにある写真のように、浮いた状態のカップにスプーンを突っ込んで、中身をえぐるには訓練が必要です。飲み物の場合は「手で持って飲む」という行動を放棄したほうが安全です。

しかし、これにはロマンがあります。

子供の頃に絵本やテレビ、教科書で見た世界。未来の世界には磁力で高速移動できる夢の乗り物「リニアモーターカー」が完成するんだ。かつてはいち未来予想図だったそれは、すでに人を載せての実験運転も行なわれるほどの近い未来となりました。そして、同様に磁力で浮遊する『Levitating Cup』が生まれたのです。実用性はさておき、科学少年たちが信じていた磁石のパワーが活躍する空想世界が、まさに目の前に。

すごいぞ! グラスが本当に浮いたんだ!

ラピュタを目にしたパズーのような気持ちが大事です。実用性というものを上回る、心揺さぶられる「何か」を感じられれば、きっとこれは成功なのです。

『Levitating Cup』について、もっと詳しく知りたい方はこちらのDISCOVERのサイトからどうぞ。グラスは今回紹介したものだけでなく、幾つかのバリエーションがありますよ。おそらくジャンルとしては、食器ではなく、どちらかと言えばインテリアに近いものなのでしょうね。



なお、浮いた状態では床との摩擦が無いため、回転を与えることで長時間回り続けます。こうするとグッと不思議感とインテリア感が上がりますね。オブジェとして、精神統一として皆さんもぜひトライ。


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image: 小暮ひさのり, DISCOVER
source: DISCOVER
reference: JR東海

(小暮ひさのり)