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富士通は4月27日、米Intel(インテル)の半導体製造拠点の中で米国外では最大拠点というマレーシアのペナン工場において、工場全体の電力や水の使用量などの環境情報と半導体製造ラインの稼働状況を可視化するシステムの共同実証を、2017年4月から開始したと発表した。

両社は2015年5月に、IoTソリューションの構築に向けた協業で合意しており、この合意に基づく取り組みの第1弾として、主にノートPCの製造を手掛ける島根富士通において、工場の製造工程の可視化による効率化に関する実証実験を行い、輸送コストの30%削減などの効果を挙げてきた。

今回はその第2弾として、インテルのペナン工場において、エネルギー使用量や半導体製造ラインの稼働状況など、工場全体の状況をIoTによって可視化するシステムの共同実証を開始し、生産効率の改善を目指す。

同実験では、工場の全体最適化を支援する分析・可視化ツールである「FUJITSU ビジネスアプリケーション Intelligent Dashboard」、クラウド型のIoTデータ利用基盤サービスである「FUJITSU Cloud Service K5 IoT Platform」、及び「インテル IoTゲートウェイ」を連携させ、工場内の電力量計や水道メーター、温度や湿度などを計測する環境センサーから得られる多様な環境情報と、半導体製造ラインの稼働状況データを、IoTシステム向けゲートウェイ装置であるインテル IoTゲートウェイを経由して集約し、K5 IoT Platformで一元管理する。

さらに、収集したデータを基に、エネルギー使用量やそれに関連するコスト、製造設備稼働率などの重要な経営指標を統合的に表示可能というIntelligent Dashboardで可視化するという。

半導体製造ラインにおいては、これまでも各製造設備の稼働データを収集・蓄積し、製造設備に問題が発生した際の原因究明などに、その都度利用してきたが、この方法では経営層が製造ラインの稼働状況をリアルタイムに把握できなかったため、生産効率の改善に繋げることが困難だったとしている。

同システムの導入により、工場全体の設備稼働状況をリアルタイムに可視化し、経営層が問題のある製造ラインに対して迅速な対策を行うことが可能になるという。

富士通は今回のペナン工場における生産効率可視化システムでの実証で得た知見やノウハウを基に、2017年5月から、製造分野向けにIoTを利用する工場全体の最適化ソリューションをグローバルで提供開始し、今後3年で100億円の売上を目指すという。

また今後は、製造分野に加えて流通や小売、公共分野など、他の分野向けのIoTソリューションの拡大も目指していくとしている。

(山本善之介)