LCP繊維シベラス。(画像:東レ発表資料より)

 東レは、新しい先端材料、液晶ポリエステル(LCP)繊維シベラスを開発した。2017年度中に量産体制を構築し、2018年度からの発売を目指す。2018年度売り上げ目標は5億円、3年後の2021年度には10億円の売上高を目指すという。

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 ちなみに液晶ポリエステル樹脂(シベラス)というのがそもそも、東レの開発したスーパーエンジニアリングプラスチックである。それ自体は、多種の電子・電機部品、またはデジタルカメラの部品などに採用されている。耐久力、安定性が高く、また流動性が高い。

 この繊維(原糸)は、東レのLCP樹脂シベラスのポリマー技術と、同じく同社の製糸技術が融合することで生まれたものであり、高い強度、高い弾性率、高い寸法安定性を持ったマルチフィラメントであるという。主な用途は水産資材用途であり、船舶・海洋ロープ、魚網などに利用できるほか、産業資材分野全般にも販売するという。

 LCP繊維は上記の特性に加えて、吸水性が低いという特徴があり、水中での強度保持率が高い。故に水産資材に適するのである。また耐熱性、耐酸性、振動減衰性、耐切創性にも優れており、その他の産業資材用途でも高い需要が見込めるという。

 東レのLCP樹脂事業は今年で約20年となるが、この液晶ポリエステル繊維シベラスの事業化によって、ポリマーから繊維までの一貫生産体制を有する、世界でも唯一のLCP繊維メーカーが誕生することになる。

 また液晶ポリエステル繊維シベラスは、繊維を生産する場面にでの温度における流動性に優れることから、細い繊維から太い繊維まで、多様な商品を安定的に生産することが可能であるという。

 東レは、長期経営ビジョンの中で「先端材料の東レ」を自ら掲げ、繊維事業で長年に渡り確立してきた技術力を生かして、先端素材の開発に取り組んでいる。