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市場動向調査企業である米Gartner(ガートナー)は4月20日(米国時間)、2016年の世界における半導体前工程(ウェハプロセス)用製造装置の売上高が前年比11.3%増となる374億ドル(最終確定値)となったと発表した。同時に、製造装置の売上高トップ10ランキングも発表し、この10社だけで世界中の前工程装置の売上高の79%を占め、、この割合は前年比で2ポイントの増加となっているとし、大手サプライヤによる寡占化が進んでいる状況を指摘した。

Gartnerの調査部門バイスプレジデントである小川貴史氏は「2016年は、データセンターにおけるハイエンド・サービス促進、モバイルデバイス向け高速プロセッサ、大容量メモリの需要拡大で、NAND型フラッシュメモリや先端ロジック向けプロセスへの設備投資が集中した。」と述べている。

○LamがTELとASMLを抜き2位に浮上

米Applied Materials(AMAT)は、売上高を前年比で20.5%増と伸ばして、前工程装置市場で2割超のシェアを獲得。依然としてトップの地位を堅持した。半導体メーカーの3Dデバイス製造への積極的な投資により、エッチング装置、とりわけ金属膜エッチング装置の売上高が急騰したことによるという。また、同じくエッチング装置大手のLam researchがASMLと東京エレクトロンを抜いて2位に浮上した。

6位のSCREENセミコンダクターソリューションズは、トップ10の中で最高の伸び率(前年比41.5%増)を示したが、これはプレミアム・スマートフォンとビッグデータ解析のためのデータセンターサーバの需要拡大に伴う3D-NANDの生産能力拡大とファウンドリの先端プロセス技術への投資増大のほか、円高によるドル基準の売上高の上昇の双方の効果によるとGartnerでは分析している。

このほか、日本の製造装置メーカーとしては、7位に日立ハイテクノロジーズ、8位にニコン、9位に日立国際電気が入っており、10社中5社を日本勢が占めている。半導体メーカーランキングでは、今や日本勢では東芝が1社入っているだけであるが、製造装置市場では日本勢がまだまだ頑張っている。

ちなみにランキング9位の日立国際ならびに10位のASM Internationalは、2桁のマイナス成長である。にもかかわらず、ASM Internationalは前年13位からトップ10入りを果たしているのは、11位以下のすべての装置メーカーの売上高総計が、AMAT1社の売上高よりやや多い程度しかなく、その成長率も同5%台に留まるなど、製造装置業界全体の成長率よりはるかに低いことが影響しているといえる。

なお、4月中旬に米VLSI researchが、類似の半導体製造装置売上高ランキング(Gartnerと異なり後工程、実装・検査工程を含む)を発表しているが、この両ランキングを比較すると、2位のLam Researchと3位のASMLが逆転しているものの、両社の売上高の差はわずかで、統計の方法や時期による誤差の範疇といえよう。このVLSI researchのランキングには、半導体テスタメーカーであるアドバンテストとTeradyne、および後工程装置メーカーのASM Pacific Technologyが入っているが、前工程装置メーカーに限定したGartnerのランキングでは、代わりに、ニコン、日立国際電気、ASM Internationalが入っている。

(服部毅)