3年ぶりの大阪ダービーで、G大阪のサポーターが掲げたフラッグが問題となった。写真:川本学

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 4月16日のガンバ対セレッソ戦で、ガンバの一部サポーターが不適切なフラッグを使用したとして問題になったね。そのサポーターは、ナチス親衛隊を意味する「SS」に似た文字が刻まれたフラッグを応援席で掲げていたという。
 
 試合後には、インターネット上で批判が集まり、21日にはガンバの山内隆司社長が会見を開き、謝罪した。ガンバは、当面の間、ホーム・アウェーを問わず全公式戦での横断幕、ゲートフラッグなどの掲出物を禁止するという。
 
 一方、4月25日に韓国で行なわれたACLのフロンターレと水原三星の一戦では、フロンターレのサポーターが旭日旗を応援席で掲げ、水原三星の試合運営担当者に没収される出来事も起きた。試合後には水原三星サポーターが、フロンターレ側の観客席の出口をふさぐ騒動にも発展した。
 
 2014年には浦和レッズのサポーターが「Japanese Only」の横断幕を使用したことが問題視され、最終的にはJリーグから無観客試合を課される重い処罰を受けた。その後、各クラブは再発防止のため、細心の注意を払ってきたようだが、このような出来事が立て続けに起きてしまったのは残念だ。
 
 今季のガンバはリーグ戦こそ2位に付けているが(8節終了時)、ACLでは3連敗を喫して一時最下位に沈むなど、グループリーグ敗退の危機に瀕している。また、怪我人が続出したフロンターレはACLでは初戦から4試合、引き分けが続くなど、勝ち切れない試合が多い。両チームのサポーターのなかには、フラストレーションを溜め込んでいた人たちもいたかもしれないが、だからと言って、スタジアムで政治的な思想を前面に出した行動などすべきではない。クラブは再発防止に全力を注ぐべきだ。

 しかし、ガンバは当該のサポーターに無期限のスタジアム入場禁止処分を課したが、“一発レッド”といえる処罰はやや重いのではないかとも感じる。十分な反省を促すなかで、恩赦を与えるという措置があっても良いんじゃないかな。このサポーターのことを詳しくは知らないけど、もしかしたらチームへの愛情がエスカレートしすぎた結果かもしれないしね。
 
 もっともACLなど国際試合においては、激しいライバル意識が、あらぬ方向に飛んでしまうことは往々にしてある。生まれた場所が違えば、それぞれ文化や習慣が異なるのは仕方のないことだしね。
 
 2011年のアジアカップでは、韓国のキ・ソンヨンが日本を挑発するようなゴールパフォーマンスをして問題にもなった。
 
 スポーツというのは本来、どんな結果になってもお互いの健闘を称え合うべきだし、それはサポーターも同じだよ。では、そうするために何が必要か。大事なのは相手のことを理解し、認め合うことだ。
 
 問題を起こしたガンバとフロンターレのサポーターはそのことに気付くべきだろうね。彼らの行動によって気分を害している人は必ずいる。ただ前述の通り、重すぎる処罰は必要ないとも思う。
 
 僕が危惧するのは、この件によってスタジアム内の規制がさらに強まり、重苦しい雰囲気となって観客が楽しめる要素が減ってしまうことだ。どうすれば試合、そしてリーグ全体が盛り上がるのか、そういう発展的な議論を行なうために、今回の問題を契機にしてほしいね。