段丘を利用したみかん畑と宇和海。入り江では真珠やハマチ、真鯛などの養殖が盛んに行われる

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 愛媛県の経済は、しばしば「1%経済」と称される。県内総生産が国内総生産の1%にあたることにちなんだ言葉だ。

 必ずしも大きい数字ではないが、東京や大阪の景気循環に左右されず、安定してその割合を維持し続けているのが愛媛県の経済とも言えるだろう。全国に比較すると、第一次産業、第二次産業のウエイトが高いことも特徴だ。

 県を代表する一次産業といえば、まずは柑橘類の栽培だ。

地元のモノがいちばん!
和歌山産のみかんは買わない

「お中元とかでもらったポンジュースがたいてい実家にある」
「みかんは買うものではなくもらうもの」

 と声をそろえる愛媛県民。地産地消が浸透しお歳暮やお中元からちょっとしたギフトまで県産物を贈ることが多く、その代表がやはり柑橘類のようだ。

「東京でみかんをスーパーで買うときは必ず産地を見る。和歌山産は絶対に買わない」と話してくれたのは新居浜市出身の20代女性で、東京に住んでからも地元産品へのこだわりは続いている。

 温州みかんの収穫量は和歌山が全国1位だが、温州みかんと中晩柑類をあわせた「かんきつ類」の収穫では、22万3000トン(H26年度)と愛媛が1位となる。

 注目すべきは収穫量だけでなく、その品目数の多さだ。一年を通じて豊富な品種が生産されており、愛媛県独自の調査によれば収穫品目数は48品目確認されているという。

 県民手帳には、温州みかん、はれひめ、紅まどんな、デコポン、いよかん、ポンカン、甘平(かんぺい)、はるみ、せとか、八朔、甘夏、はるか、清美、カラ、河内晩柑の15種類の柑橘類の紹介と、食べ頃カレンダーのページがある。

 贈答用の高級品種の中でも特に人気なのは「紅まどんな」。南香と天草を掛け合わせて作られ、2005年に登録された品種。皮が薄く、「ジューシーでゼリーのような食感」だという。

 パッと見、どれもオレンジ色の球体で、かんきつ初級者に見分けられるのは上部に凸のあるデコポンぐらいだが、愛媛県人には「食べたらもちろんですが、見ただけでだいたい10種類ぐらいはわかります」という人も。もっとも、「見分けはつかない。かんきつはどれも『みかん』」という人もいたので、だいぶ個人差はあるかもれない。

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