米外交筋によると、米政権は中国習近平政権に対し、北朝鮮に核・ミサイル実験をやめさせるよう圧力をかける「戦略的忍耐限界」期間として、2〜3カ月の猶予を与えている。写真は中朝国境。

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2017年4月27日、米トランプ政権の動向に詳しい米外交筋によると、米政権は中国習近平政権に対し、北朝鮮に核・ミサイル実験をやめさせるよう圧力をかける「戦略的忍耐限界」期間として、2〜3カ月の猶予を与えている。中国に対し、北朝鮮への原油供給の停止など実効ある経済制裁を実施するよう要請。6カ国協議再開など対話戦略によって、非核化を目指す中国もこれに呼応する見通しという。同筋の見解は次の通り。

トランプ政権は、朝鮮半島の非核化を最優先課題とし、この目標に向けた対話実現にオープンな姿勢で臨む方針である。

トランプ政権は、中国習近平政権に対し、北朝鮮に核やミサイル実験をやめさせるよう圧力をかける「戦略的忍耐限界」期間として、2〜3カ月の猶予を与えている。究極的に北朝鮮が核開発計画を断念し、対話の道に戻るよう強い圧力をかけるように中国に対し要請している。

一方で、米政権は、北朝鮮が核実験や長距離ミサイル実験に踏み切った際には、米国が実験場やミサイル基地を攻撃する可能性を否定していない。

空母カール・ビンソン艦隊や潜水艦隊の朝鮮半島近海での展開は、緊急事態に備えると同時に、中国指導部にプレッシャーをかけるのが目的である。経済制裁に重点を置き、中国に対し、北朝鮮への原油供給の停止など実効ある対応策を取るよう要請。6カ国協議再開による対話により、非核化を目指す中国もこれに呼応する見通しだ。

米国は、北朝鮮が4月25日の人民軍創設85周年記念日に、核実験やミサイル発射を控えたことを考慮。米国が「戦略的忍耐期間」を設置し、対話路線に傾いた背景になっている。

この期間(2〜3カ月)が過ぎた後、「非核化」で著しい改善が見られない場合、軍事的な攻勢も選択肢の一つになる。その場合、韓国や日本は深刻なリスクを受ける可能性があるため米国に対し、明確な方針の伝達を求めているが、トランプ政権は、今後の展開にフリーハンドを握るため、現在の「曖昧かつ不確定」な状況のまま具体的な方針を示していない。

これに対し中国の指導者は、秋の共産党大会を前にして、安定を乱す不確定要因が生じるのを回避したい考え。米国は対北朝鮮攻撃の具体的な「レッドライン」を示さず曖昧な態度を取っている。このため「米国の攻撃」を切り札に「核開発の放棄」を強く説得できなくなる懸念もある。(八牧浩行)