26日、韓国経済新聞は導入から8年がたっても利用が進まないソウル市の「外国人専用タクシー」の問題点について報じた。写真はソウルのタクシーに掲示されている通訳サービスの広告。

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外国人観光客を狙って不当に高い料金を請求するいわゆる「ぼったくり」タクシーの問題が韓国・ソウルで後を絶たないと韓国メディアが報じたところ、韓国のネットユーザーから「それなら外国人専用タクシーを作っては?」との提案が上がったのはつい先日のこと。しかしこのアイデア、数年前からすでにソウルで実現していたことが分かった。26日付の韓国経済新聞が、市民にも知られていないこのタクシーの問題点について報じている。

記事によると、外国人観光客誘致に向けソウル市が外国人専用の「インターナショナル・タクシー」を導入したのは、呉世勲(オ・セフン)前市長時代の2009年。市は面接で外国語が堪能な運転手を選出、年間5億8000万ウォン(約5700万円)を事業支援に投じており、導入から8年がたった現在、366台が登録されている。問題は稼働率だ。昨年1年間の同タクシー利用件数は9万4159件で、1日1台当たりに換算するとわずか0.7件、1日中、1人の客もいないタクシーもある計算だ。そしてこの9万4159件という数字は、昨年ソウルを訪れた外国人総数1357万人の0.7%にしかならない。

記事は、この根本的な原因は、宣伝不足と市の意志不足にあると指摘する。ある業界関係者は、「市が主催する国際イベントも多いのに、一般タクシー業界からの反発を理由に市は積極的に動こうとしない」と話す。また、前市長が進めた政策という「政治的理由」で市が消極的だとの指摘もある。実際、市の担当者の一人は「事業を拡大も縮小もできない状態」と板挟みの現状を吐露した。

しかしいずれの原因も外国人観光客には関係のない話だ。日本から旅行に来た女性(26)は「市の観光アプリにもインターナショナル・タクシーの説明はなかった」と指摘、国際イベントに出席するという外国人(42)も「そんなタクシーがあることすら知らなかった」と語った。

この記事に、韓国のネットユーザーからは「この国には税金泥棒が多い」「血税をどこに使ってくれてるんだよ?」と税金の無駄遣いを指摘する声も寄せられているが、外国人専用タクシーの問題は、記事が指摘する内容以前にぼったくりが大きいとするコメントが数多く寄せられている。「韓国のタクシーはぼったくりだとうわさになってるんだよ」「最近は皆ネットでちゃんと調べてから来るから、乗るわけがない」「韓国は外国人が1人でタクシーに乗ってはいけない国だ」といった声や、外国人の友人から聞いた話として「韓国のタクシーは本当に急いでいる時以外は乗らないようにしているらしい」と紹介するものもあった。

また、出張で毎週のように日本を訪れるというユーザーからは「日本のタクシー運転手はものすごく親切。韓国の運転手とはあまりに違う。まず直すべきは親切さだと思う」との指摘が、そしてこのタクシーの活用法として「平昌(ピョンチャン)冬季五輪に使えばいいのでは?」と提案する声もあった。(翻訳・編集/吉金)