相撲人気は相変わらずスゴイの一言に尽きる。8日に売り出された夏場所(5月14日初日、両国国技館)の前売り券も、発売からたった1時間半で15日分すべてのチケットが売り切れ。春場所の前売り券の完売が2時間半だったので、それより1時間も早かったことになる。これには協会首脳もびっくり。
力士たちの稽古にも熱が入ってきたが、巡業の売り物である朝稽古の盛り上がりはいま一つ。
 「仕方ありません。春場所、逆転優勝して日本中を沸かせた稀勢の里(30)は、痛めた左肩などの治療のためにお休み。春場所を途中休場して、治療のためにモンゴルへ帰国していた白鵬や、負傷していた照ノ富士、豪栄道らも、巡業参加は17日の靖国神社からで、まだ本調子にはほど遠い。上位でなんとか頑張っているのは、春場所で5敗もした鶴竜と日馬富士の2人だけ」(担当記者)

 唯一、館内が沸くのは、ベテランによる若手かわいがりの場面だ。14日の長野県松本市の巡業でも、鶴竜が先場所、小結で勝ち越した地元のヒーロー、御嶽海(24)に「地元だからね」とぶつかり稽古で胸を出し、泥まみれになって起き上がるたびに観衆から大きな拍手が送られていたが、それ以外は終始、盛り上がりに欠けたといえるだろう。
 それでも、90分で前売り券は完売。
 「春場所の稀勢の里の逆転優勝で、日本中が盛り上がったおかげだと思います。まして、今度は(稀勢の里が)横綱として初めて東京の土俵に上がる場所。いずれにしても、ありがたいことです」

 チケット売り場担当の親方はそうニコニコ顔だったが、心配なのは肝心の相撲内容だ。こんな入手困難なプラチナチケットに値するのかどうか。なにしろ、お目当ての稀勢の里はすでに3日から土俵に上がり稽古は再開しているものの、左肩だけでなく、先日の再検査で左大胸筋も損傷していたことが判明。果たして夏場所までに、どこまで回復するか、心配の種は尽きない。
 「白鵬も、照ノ富士も、豪栄道も、土俵に上がってみないと分かりません。最初から巡業に参加している鶴竜、日馬富士の2横綱も古傷持ちですから、信用はできない。夏場所は、評判倒れの場所になるかも分かりませんよ…」(協会関係者)

 五月場所は夏場所と呼ばれているが、5月の気温は真夏に比べて涼しく、また寒くもないため、体を動かす力士たちにとっても快適な時期だ。4横綱の中では横綱稀勢の里が一番若く、優勝に多くの期待が集まっている。だが、何と言っても人気力士がほとんど“病み上がり”という状態。上位陣にイヤ〜な重圧がかかっている。「五月場所」が“五月病”なんてことにならなきゃいいが。