【ライターコラムfrom名古屋】愛される“暴れん坊” シャルレスが過密日程の救世主になる!?

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 背番号4の今季2度目の出番が近づいてきている。レノファ山口FC戦を終えたチームには、DF櫛引一紀の離脱という悪いニュースが届いていた。今週水曜日までの公開された練習には一度も参加しなかったDFラインの要は、「非公開練習の中でやってみて、どうかなという感じです」と自身の状況を語っている。ここまで全試合出場だけでなく、攻撃に重きを置くチームの守備をハードワークで救ってきた男が不在となれば、代役を探すのは簡単なことではない。そこで白羽の矢が立てられたのが、タイミングよく負傷から戻ってきたブラジル人DFシャルレスだった。

 今季、ブラジル2部リーグからやってきた赤毛のセンターバックは、その風貌(最近は特に)に違わぬ豪快なプレースタイルが持ち味で、空中戦と球際の強さにストロングポイントを持つ。また危機察知能力にも優れ、味方へのアラートを頻繁に行なうのも特徴だ。その際に使うのは「危ない」という日本語。「だいたいは中盤の選手に、『そこで取られると後ろもキツイ』って時に言っている気がしますね」とはDF酒井隆介の証言だが、相手がボールを持っている時に「アブナーイ!」というシャルレスの声がピッチに響き渡ると、不謹慎だがちょっと面白くも感じてしまう。そのほか、空中戦で自分が競るボールだと周囲にわからせるために、「シャルレース!」と名前を叫びながらヘディングするのもやっぱり何だかニヤリとしてしまう。

 話が横道にそれたが、今週のチームはこの“暴れん坊”シャルレスをDFラインおよびチームに組み込む作業が主に行われてきた。櫛引が戻れば保険に、今後増えてくることが予想される相手のパワープレーに対する高さとしても、シャルレスが使えるようになるならばチームにとっては大きなプラス。風間八宏監督もシャルレスには集中的に指示を出し、組織としてのバランス取りに腐心した1週間だった。その上で守護神・楢崎正剛は「コーチングやサポートを含めてアイツの強さを活かしていきたい」と語り、「球際に強いのは助かるので、うまくカバーしてやりたい」とDF内田健太は算段を踏む。酒井隆介は「ああいうタイプは合わせてあげるのが大事」と温かい目(?)で連係を築く心つもりを明かしており、総じてチームはシャルレスに対して寛容だ。

 当の本人はといえば、「本当は6〜8週間かかるところだったから、それよりも早く戻ってこれたね。負傷箇所? わからないな、“ケガ”をしたんだ(笑)」とかなりの天然ぶり。立派に蓄えられたヒゲにも理由はなく、「伸ばしたことなかったから、やってみた」と素っ気ない。それでここまで伸ばせるのだから、けっこう気に入っているのかもしれないが。ちなみに元スウェーデン代表の(オロフ)メルべリっぽいね、と話すも、案の定メルべリを知らなくて「誰? まあ、代表選手だったらいいや」とここでも大人物ぶりを発揮してくれた。とかく愛すべきキャラクターなのである。

 しかし、水戸ホーリーホック戦でも見せたように、実戦になればライオンのような風貌通りに猛々しいプレーで危ない局面を消してくれる頼りになるDFである。ザスパクサツ群馬戦ではできれば「アブナーイ!」の声はあまり聞きたくないものだが、彼の活躍は。今後のチーム力につながるだけに、ぜひとも期待したいものだ。

文=今井雄一朗