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ヴィーム・ソフトウェアは4月27日、都内で記者会見を開き、世界の企業のIT幹部を対象に自社システムのアベイラビリティ(サービスへの継続的アクセス)について調査した「Veeamアベイラビリティ・レポート2017年版」を発表した。これによると、企業の82%がユーザーのニーズと自社のIT提供能力のギャップ=「アベイラビリティのギャップ」に直面しているという。

今回の調査は2016年後半、24カ国で1000人以上の従業員を擁する民間企業と公的機関に所属する1060人のIT部門の意思決定権者に対し、包括的なオンライン調査を実施した。

調査対象の国と地域は、オーストラリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、中国、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、香港、インド、イスラエル、イタリア、日本、メキシコ、オランダ、ロシア、サウジアラビア、シンガポール、スウェーデン、タイ、アラブ首長国連邦、英国、米国。

冒頭、ヴィーム・ソフトウェア シニア・システムズ・エンジニアの吉田幸春氏は「デジタルトランスフォーメーションの時代において、常にデータを使えることが当たり前の世の中になっており、企業・経営層はそれを重要視している」と述べた。

同調査では、ユーザーの期待とITが提供できるものとの間には乖離があり、それがイノベーションを妨げていると指摘し、企業の82%がアベイラビリティのギャップに苦しんでいるという。2016年のエンタープライズ企業における、ダウンタイム発生による年間平均コストは前年比36%増の2180万ドルに達し、うち約3分の2の回答者はイノベーションを阻害していると認めている。

また、企業の77%は同社が「保護のギャップ」(ITのデータ保護能力不足により企業の許容限度を超えるデータ損失が発生すること)と名付けた現象を体験しており、データ保護のメカニズムとセキュリティポリシーが不十分であることから、アップタイムが絶えず期待を満たしていないと分析。

企業は、優先度の高いアプリケーションでは年間72分間のデータ損失しか許容できないと想定しているが、調査では実際のデータ損失時間は同127分間であり、期待値より約1時間も長いことが示された。これは、あらゆる企業にとってリスクであり、さまざまな形で事業の成功に影響を及ぼすと示している。

さらに、69%がアベイラビリティがデジタル・トランスフォーメーション(DX)に不可欠と考えていることが明らかにされた一方で、IT担当上級幹部の過半数(66%)は、サイバー攻撃、インフラの障害、ネットワークの停止、自然災害などの予期せぬ理由によるサービスのダウンタイム(インシデントごとのサーバの停止時間は平均85分間)により、DXの進捗に支障をきたしていると回答。

ダウンタイムとデータ損失は、バランスシートには現れない形で、企業を世間の厳しい目に晒すことにもなり、調査では企業のほぼ半数が顧客の信頼を失い、40%がブランドの完全性が損なわれ、それによりブランド・レピュテーションと顧客維持の両面にネガティブな影響が及んでいるという結果が示された。また、企業の3分の1が従業員の雇用の安心感の喪失、28%が混乱収拾のためにほかのプロジェクトから人員を投入したことがあると回答している。

加えて、近年ではクラウドと、その多様な利用モデルにより、企業がデータ保護のために選択する手法は変貌している。今回のレポートでは、多くの企業がクラウド移行をデジタル化計画の有効な出発点と考えており、SaaSへの投資が今後12カ月間で50%以上増加することが示された。

経営幹部のほぼ半数(43%)が、自社のITプロセスよりもクラウド・プロバイダーの方がミッション・クリティカルなデータに関して優れたサービスレベルを提供できると認識しているという。そのため、サービスとしてのバックアップ(BaaS)と災害復旧(DRaaS)への投資は、企業がそれらをクラウドで運用する意向が高まるにつれて、同様に上昇すると想定している。

吉田氏は、これらの状況に対し「企業はアベイラビリティのギャップがあることを理解し、SLAを定量化することで保護のメカニズムと回復の実力を定量化することが望まれる。また、何か問題が発生した際に、コストに紐付くことに換算するのか、社員のビジネスプロセスに影響があるのか、ブランドイメージなどの影響範囲を考えた上で、どのように対処すべきか判断するべきだ。さらに、マルチクラウド環境においてもデータ保護を行うことがビジネスの成長につながるのではないか。われわれは顧客の止まらないビジネスのために、アベイラビリティを高めることを支援している」と語った。

(岩井 健太)