<日本の家族構造の変化に逆行するように、政府は三世代同居の奨励によって保育所や介護施設が不足する福祉問題を解決しようとしている>

日本の社会変化に伴い、家族の構造は変わってきている。

その変化の筆頭はまず家族の構成人数の減少で、一般世帯の平均世帯人数は1960年では4.14人だったが、半世紀を経た2015年には2.39 人に減っている(総務省『国勢調査』)。単身世帯の増加や三世代世帯の減少、少子化などが原因としてあげられる。

もう一つは核家族化で、親族世帯に占める核家族世帯(親と未婚の子からなる世帯)の割合は、1960年〜2015年の期間に63.5%から86.1%へと増えている。今となっては、三世代世帯で育つ子どもは少数派だ。

【参考記事】育児も介護も家族が背負う、日本の福祉はもう限界

戦後初期の頃までは、家族は消費のみならず、生産(家業)、子育て、介護などの機能を担っていた。しかし現在では、上記のような構造変化、さらには女性(母親)の社会進出の進展によって、その多くの機能を家庭外に持ち出さざるを得なくなっている。だが保育所や介護施設は著しく不足しているのが現状で、政府は今になって三世代の同居を推奨する動きを見せている。

三世代が同居している世帯の割合は、国によってかなり異なる。15歳生徒のうち、祖父母(grandparents)と同居している者の割合を国ごとに出し、高い順に並べると<表1>のようになる。

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祖父母と同居している生徒の割合は、東欧やアジアの各国で高い。日本も32.1%で、63カ国の中では高いほうだ。一方、他の主要国の値は低く、ヨーロッパでは一桁の国が多い。最低のオランダでは2.1%しかいない。

舞田敏彦(教育社会学者)