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農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構・NARO)は26日、移植栽培しか実施したことのない水田における「雑草イネ」を発生を多数確認したことを明らかにした。これにより、直播栽培に限らず、移植栽培を含む全ての水田において雑草イネへの警戒が必要となる。

減収や品質低下の原因となる「雑草イネ」(水田に自生して雑草となるイネ)は、国内では直播栽培の普及にともなって発生が増加していると認識されており、移植栽培ではほとんど発生しないと考えられてきた。

しかし、農研機構中央農業研究センターがその発生実態を確認するため、雑草イネ発生地区(27地区、8県)に栽培履歴を調査したところ、23地区では直播栽培を行ったことがなく、これまで移植栽培のみを行っていることが明らかになった。これは、現在広く使われている水稲用除草剤が雑草イネに対する防除効果が不十分で、さらに移植栽培においても雑草防除に十分な時間をかけることが難しくなったことなどが、移植栽培でも雑草イネが発生してきた要因として推定されるという。

今回調査を実施した雑草イネ発生圃場のうち5地区(4県)では、遅くとも2000年以前から雑草イネの発生が発生していたという。「雑草イネは限られた地域でのみ発生している」というのが従来の認識であったが、この研究により雑草イネは広い地域で十数年前から発生していることが判明した。全国における直播栽培の普及面積は現在2%程度で大部分は移植栽培となっており、同研究により、移植栽培においても雑草イネへの警戒が必要なことが明らかになった。

なお、農林水産省「農業技術の基本指針」(平成29年改訂)では、雑草イネ対策の必要性が初めて記載されたという。雑草イネの見分け方や防除対策についての詳細は、農研機構中央農業研究センター 技術紹介パンフレット「警戒すべき雑草『雑草イネ』」、農研機構中央農業研究センター「雑草イネ まん延防止マニュアル」を参照のこと。

(早川厚志)