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本誌でも既報のとおり、Windows 10の次期大型アップデートとなる「Redstone 3 (仮称)」では、バックグラウンドアプリケーションの消費電力を軽減する「Power Throttling (仮称)」が搭載される予定だ。

Power ThrottlingはWindows 10 Insider Preview ビルド15002で搭載されたものの、Windows 10 Creators Updateでの実装は見送られた。Microsoftはインサイダーからのフィードバックを求めていたので、Creators Updateに搭載されなかったこと自体は何ら問題がない。ただ、Windows 10 Insider Preview ビルド16179という比較的早いタイミングで、再登場したのは少々意外だった。

Microsoftの公式ブログによれば、Power Throttlingによって、CPUの消費電力を最大11%軽減できたという。ただしPower Throttlingは、Intel Speed Shift Technologyの利用を前提としているため、SkylakeやKaby Lake世代のIntel Coreプロセッサを搭載したPCでのみ利用可能。Microsoftは今後数カ月かけて他のプロセッサでのサポートも進めていくと述べている。

筆者がIntel Core m3-6Y30を搭載したSurface Pro 4に、Windows 10 Insider Preview ビルド16179をインストールして動作を検証したところ、通知領域の電源アイコンをクリックすると、フライアウトウィンドウにスライダーの存在を確認できた。スライダーは「バッテリー節約機能」「推奨」「高パフォーマンス」「最も高いパフォーマンス」の4段階の切り替えが可能。利用時間を示すポップアップの数値は、稼働状況によって頻繁に変わるため指針とするには向かない。

さらに、電源ケーブルを外して電源管理方法を「推奨」に切り替えたところ、各プロセスの電力調整も確認できた。タスクマネージャーの <詳細> タブではプロセスの状態を確認できるが、ビルド16179では列の項目として新たに「Background Moderated」が加わっている。バックグラウンドアプリケーションの調整を意味すると思われる。筆者は当初、UWP (ユニバーサルWindowsプラットフォーム) アプリケーションに限られると推測していたが、下図のとおりデスクトップアプリの「秀丸」なども加わっている。これらのことからMicrosoftはプロセスレベルでの調整を行っていることがわかった。

Power Throttlingはシステム全体のバッテリ消費を軽減できるが、一部のベンチマークアプリケーションは正しく動作しなくなるという。そのためMicrosoftは、「設定」から除外する方法を提示している。<システム/バッテリー/アプリによるバッテリーの使用> を開くと、文字どおりバッテリーを消費するアプリケーションの一覧が現れるが、通常は「Windowsが管理」となっているはずだ。ここを選択してOSによる管理を無効に切り替え、<バックグラウンドのときはアプリの作業負荷を減らす> のチェックを外す。今後の開発で、Power Throttlingによるプロセス制御を詳細に行えるAPIの提供を予定しているそうだが、この設定項目の存在を知っておいて損はないだろう。

Intel SpeedShift Technologyが登場したのは2015年秋頃のことだった。つまり、約1年半を経て、ようやく新機能の恩恵を受けられることになる。Windows Insider Programに参加していないWindows 10ユーザーは、Redstone 3のリリース時期である2017年9月まで待たなくてはならない。だが、モバイルPCを外出先で長時間使えるようになることは確かだ。Windows 10次期大型アップデートは多くのユーザーに恩恵をもたらすだろう。

阿久津良和(Cactus)

(阿久津良和)