By John Watson

下位10%の低所得者層は上位10%の富裕層より高い税率で税金を支払っている、というイギリスの不公平な税金制度を示す研究結果が報告されています。

Britain's Poorest Households Pay More Of Their Income in Tax Than The Richest | The Equality Trust

https://www.equalitytrust.org.uk/britains-poorest-households-pay-more-their-income-tax-richest



Poorest pay higher taxes than richest, new figures show | The Independent

http://www.independent.co.uk/news/uk/home-news/lowest-earners-more-tax-richest-office-national-statistics-inequality-council-tax-vat-equality-trust-a7704331.html

The Equality Trustがイギリス官庁統計データなどを分析した結果によると、下位10%の低所得者層は、平均所得の42%を所得税・国民保険・付加価値税(VAT)・地方税の形で支払っているとのこと。一方で上位10%の富裕層は、所得のおよそ3分の1にあたる34.4%を税金として支払っていることがわかっています。特に低所得者層の負担が大きいのは地方税とVATで、例えば、平均所得における地方税とVATが占める割合は、低所得者層がそれぞれ7%と12.5%であるのに対して、富裕層は1.5%と5%しかないという状況です。

イギリスの税制では「所得が低いほど税金が占める率が高くなる」という状態になっているわけですが、テリーザ・メイ首相とフィリップ・ハモンド氏は、6月8日に実施予定の解散総選挙の後に、VATの税率の2.5%引き上げを予定していると報じられています。すでにVATの税率は2011年のデーヴィッド・キャメロン前首相時代に17.5%から20%に引き上げられており、保守党は「今後税率引き上げの予定はない」と話していましたが、この宣言を破る形となります。もし税率がさらに上昇すれば、低所得者層の負担はさらに大きくなることが予想されます。

また、The Equality Trustは、富裕層と低所得者層の所得格差についても指摘しています。上位10%の富裕層の平均所得は11万632ポンド(約1600万円)なのに対して、下位10%の低所得者層の平均所得は1万992ポンド(約160万円)にとどまっています。税金を差し引いた手取額では、上位10%の富裕層の平均額が7万2746ポンド(約1000万円)、下位10%の低所得者層の平均額が6370ポンド(約90万円)となっています。



By David Blackwell.

The Equality Trustの執行役員であるワンダ・ワイポルスカ博士は、「富裕層の税金の負担割合が彼らの雇っている清掃員よりも軽いという現状は、退行的で壊れたイギリスの税制度を示しています。時に富裕層に対する減税が支持され、低所得者層を守る税制改革が激しく攻撃されることがあります。生計を立てるので精いっぱいの普通の人々に対して、これらの税制度は何の助けにもならないでしょう」と話しています。