趙源震(チョ・ウォンジン)大統領候補

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5月9日の大統領選挙に向けて、韓国では大統領候補たちの“激しいバトル”が繰り広げられている。

テレビ討論などに出ているのは5人の候補。

『中央日報』の世論調査によると4月24日時点の支持率は、文在寅(ムン・ジェイン)39.8%、安哲秀(アン・チョルス)29.4%で、2強といった様相だ。以下、洪準杓(ホン・ジュンピョ)11.7%、沈相奵(シム・サンジョン)5.0%、劉承旼(ユ・スンミン)4.4%となっている。

しかし、今回の大統領選挙に立候補しているのは上の5人だけではない。全部で15人もいるのだ(1人はのちに辞退)。あまり注目されていないが、歴代最多の大統領候補が出馬する大統領選となっている。

テレビ討論に出られるわけでもなく、韓国メディアにもそれほど注目されていない“その他の候補”のなかには、かなり個性的な人物もいる。

スローガンは「朴槿恵を釈放せよ」?

ここでは、趙源震(チョ・ウォンジン)大統領候補を紹介したい。

チョ・ウォンジン候補は、1959年1月7日生まれの58歳。1996年に国会議員の補佐官となり、現在まで21年間、国会に関連する仕事をしてきた。3選の国会議員だ。

そんなチョ候補は今回、「セヌリ党」から立候補している。

韓国政治に興味がある人であれば、「セヌリ党?」と思うかもしれない。というのも、セヌリ党はすでに「自由韓国党」に名前を変えており、過去のものになっているからだ。

チョ候補を推薦する「セヌリ党」は、自由韓国党に失望した“親朴派”が今年4月5日に作った新しい党だという。そんな「セヌリ党」の候補だけに、当然チョ候補も過激な朴槿恵支持者だ。

実際に4月25日、チョ候補は朴槿恵前大統領が拘束されているソウル拘置所を訪れ、支持者1000人とともに「嘘の弾劾の真実を暴き、朴前大統領を必ず釈放する」などと話したという。また、チョ候補の横断幕にも「朴槿恵を釈放しろ!」と堂々と書かれている。

選挙ポスターなどには、本人に少し似たかわいらしい熊のマスコットを載せているが、一般的な韓国人の支持は集まりそうにない。

ネット民たちは、「朴槿恵を釈放しろと書かれた横断幕を見るたびに破り捨てたくなる」「怒られるためにわざとやっているんだよな?」「支持率が1%にもならないのに、どうやって朴槿恵を助けるのか」「人間になろう!」といった厳しいコメントを寄せる。

「そんな公約でどうやって韓国の大統領になろうというのか」などとネット民に突っ込まれている、チョ候補の公約を見ていこう。

チョ候補の個性的な公約とは

第一に掲げているのは、やはり朴槿恵に関連すること。「大統領弾劾の主導者の審判」「大統領の名誉回復と即刻釈放」「不法偏向報道をしたメディアに強力な制裁」などがある。

「国防予算を50兆ウォン(約5兆円)増額」なども気になる公約かもしれない。

「大邱(テグ)-光州(クァンジュ)間に鉄道建設推進」や、「路地商圏を守るためにスターバックスなどの多国籍企業が分別なしに店舗を拡張しないように、国内進出に対する事前影響評価制の導入」などは、他候補には見られないオリジナリティの高い公約だ。

今のところ韓国国民の支持をまったく集められていないチョ候補だが、朴槿恵支持者にとっては最後の希望なのだろう。

熱烈な朴槿恵支持者たちの“パクサモ”は、「チョ・ウォンジン候補のイメージ広報戦略」と題する記事を掲載して、「セヌリ党の広報戦略に従って、まず愛らしくて親近感のある熊のマスコットで、チョ・ウォンジン候補のイメージメイキング戦略に入る」と宣言している。
(関連記事:「何があっても支持します!」孤立する朴槿恵大統領の唯一無二の味方、“パクサモ”とは

ちなみに今回の大統領候補たちには“前科持ち”が多いが、チョ候補も例にもれない。

1992年に交通事故処理特例法違反と道路交通法違反で、罰金150万ウォン(約15万円)を科せられたことがあるようだ。

大統領に選出される可能性はゼロに近いかもしれないが、いろんな候補がいることを知っておくのも一興かもしれない。

(文=S-KOREA編集部)