25日、韓国・朝鮮日報は、韓国を代表する国民的菓子・チョコパイの開発チーム長へのインタビュー記事を報じた。チョコパイが韓国だけでなく世界に広がる訳は、強いこだわりと飽くなき味の追求、そして開発チーム長の熱い思いにあった。写真はチョコパイ。

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2017年4月25日、韓国・朝鮮日報が、韓国の国民的菓子・チョコパイを製造する韓国企業オリオン社の開発チーム長にインタビュー、その仕事ぶりと彼の将来の夢について伝えた。

「今朝だけでチョコパイを10個『官能』した」と話すのは、まるでシェフのような上下白の作業服を着たオリオンパイ開発第2チーム長カン・スチョル氏(43)。「官能」という聞き慣れない言葉は、機械で計れない味や香りを、舌や鼻といった器官で計る食品業界独特の表現だ。

1974年に発売開始、今や世界で年間20億個以上販売されるチョコパイは、オリオン社の圧倒的な主力商品だ。同僚7人と共にその品質を管理し新製品開発も行うカン氏は、一日平均20個のチョコパイを食べその味をチェックする生活を15年間毎日続けている。たばこは吸わず、酒は週末にたしなむ程度。コーヒーもその苦みがチョコレートの微妙な苦みを分からなくするので口にしない。

「私と同じ世代の人間にとって、チョコパイはまるで香水のような幸せを強く感じさせる特別なお菓子でした。おいしいお菓子がたくさんある現在、いかにチョコパイの特別さを伝えるかに悩みます」と、チョコパイとまさに同世代のカン氏は語る。

「消費者の舌をごまかさない」「安い材料は使わない」「添加物は最少」「自宅の台所よりきれいに管理しよう」。食べものに対して決してうそをつかず、真摯(しんし)でいようというのが開発チームの座右の銘だという。

60カ国に輸出されているチョコパイの品質を6カ月ごとに改善することもカン氏の大切な任務だ。開発チームのメンバーはカン氏を「コンダクター」と呼ぶ。世界に広がるチョコパイの基本レシピは同じでも、26種類の原料の選定、配合の割合は国ごとに異なる。例えばベトナムのような暑い国向けには、チョコレートが溶ける温度を高くして、べとべとと手に付かないようにする必要がある。寒いロシアでは逆の配慮が必要だ。

カン氏は最後に自身の夢を語った。「輸出国のほとんどは発展途上国で、特にベトナムでは高級なお菓子として祭壇に飾られることもあります。子どもの手にチョコパイが握られているのを見ることが私にとっての一番の幸せです。そして、アフリカの子どもたちにも私が幼い頃に感じた幸せを伝えたい。安くて、暑い日でも手で溶けず口で溶けるおいしいチョコパイ。それを作るのが私の夢です」。

韓国のネットユーザーはカン氏への賞賛を惜しまない。「仕事へのプライドが半端ない」「あなたこそがプロだ」「まさに職人。どんな仕事でもここまで極めれば幸せだ」というコメントや「軍隊にいた時に食べたチョコパイ、おいしかったな。忘れられない味だ」「明け方なのに急にチョコパイ食べたくなった!」という懐かしさに心を寄せる人も。

一方で、掲載されたカン氏の笑顔の写真について「チョコパイの食べ過ぎなのか老けて見える。43歳じゃなくて、53歳では?」「チョコパイを食べ過ぎると老けるということを、彼は身をもって教えてくれている」など、毎日20個のチョコパイを食べるカン氏の健康を心配する人もいた。(翻訳・編集/木暮)