オックス秋葉原アソビットシティ。閉店前の姿

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 秋葉原の象徴的存在であった店舗がまた1つ姿を消した。

 かつて「日本最大のホビー専門店」として全国的に知られていた「ラオックス秋葉原アソビットシティ」(AsoBitCity)が3月31日に閉店し、15年の歴史に幕を下ろすことになったのだ。

 絶大な人気を誇った店舗の「突然の閉店」。その陰には一体なにがあったのであろうか。

◆秋葉原の歴史に名を刻んだ「日本最大のホビー専門店」

 ラオックス(LaOX)は1930年に墨田区向島で創業し、終戦直後の1945年に秋葉原に出店した電気店を起源とする。1970年代には多店舗化と多角化に乗り出して規模を拡大、1990年代には中堅家電量販店として名が知られる存在となり、1999年には東証2部に株式上場を果たした。

 しかし、2000年代に入ると郊外型家電量販店との競争の激化に伴い経営が悪化。そうしたなかで生まれた新業態が「アソビットシティ」であった。

 アソビットシティは2002年10月にラオックスが運営するホビー専門店として「T-ZONE秋葉原本店」「ミナミムセン」の跡(現在はドンキホーテ秋葉原店・AKB48劇場などが出店するビル)に開業。その後、ドンキホーテの出店などに伴い、現在のJR秋葉原駅南側に移転オープンした。販売品目はゲーム、模型、プラモデル、フィギュアなどホビー関連商品全般で、開業当時は「日本最大級のホビー専門店」として大きな話題を呼び、全国各地からの集客があったという。その後は中野、豊洲にも規模の小さな店舗を出店し、3店舗体制となった。

 ラオックスが経営再建の過程で2009年に中国の家電量販店「蘇寧電器」の傘下となったのち、経営再建にともないアソビットシティは秋葉原店のみに戻ったが、同店主催のアイドル・声優のライブイベントやゲーム発売記念イベントなどの開催も継続され、近年まで大きな集客力があった。また、2012年にはキャナルシティ博多(福岡市博多区)に新規出店。当初はこの博多店でもキャナルシティ内のイベントスペースを活用するかたちで大型イベントが開催されており、両店主催のイベントに参加した思い出のある人も多いであろう。

◆中国企業ならではの「身のこなしの早さ」が仇に

 中国資本となった後も順調と見られた秋葉原アソビットシティであったが、2014年ごろから中国人観光客による「爆買い」がブームになると状況は一変する。

 ラオックスは「国内最大規模の免税店」のキャッチフレーズを掲げ、爆買いの波に乗り2014年に黒字転換を果たすと同年終わりには397億円の大規模増資を実施、中国企業ならではとも言うべき「スピード感」で一気に事業拡大を図る。2015年6月には新宿のファッションビル「マルイワン」跡(伊勢丹前)に旗艦店を出店したほか、2015年から2016年にかけて百貨店の大丸心斎橋本店、京都店、神戸店、博多大丸福岡天神店に相次ぎ出店。合わせて小樽、函館、長崎、佐世保、熊本など地方出店も加速させた(一部は団体ツアー客専用店)。

 そうしたなか、アソビットシティにも大きな転機が訪れる。秋葉原アソビットシティも爆買いブームの波に乗る形で2015年7月に「ホビー用品も販売する免税店」となるべく全面改装を実施。多くのフロアがラオックス本館と同様の中国人向け家電・宝飾品売場に衣替えされたうえ、ホビーフロアも中国人観光客を大きく意識する内容に変わった。

 しかし、この改装は完全に失敗に終わった。これまでアソビットシティの主要客層であった日本客が大幅に減ってしまったばかりか、「免税店」とも「ホビー店」とも言えないどっちつかずの中途半端なスタンスでは外国人観光客を集客することも難しく、閑古鳥が鳴く状況となってしまう。たとえ、中国から来日した趣味人が来店したとしても「前の売場のほうが良かった」と言ったであろう。