専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第102回

 かねてより、ゴルフのルールは難しすぎると思っていたのですが、ゴルフの総本山であるR&A(全英ゴルフ協会)とUSGA(全米ゴルフ協会)が、2019年のルール改正に向けて、ゴルフルールの簡略化に乗り出しました。

 この方向性は、大賛成です。むしろ、「先にやられたぁ〜」くらいに思っています。その話はおいおい細かく記すとして、まずは我々が考えるべきゴルフルールの簡略化について、さまざまな角度から考察してみたいと思います。

 ゴルフのルールは、R&Aで決められたものがJGA(日本ゴルフ協会)を通じて、我々のともに送り届けられます。ですから、建前で言えば、世界のトップアスリート、ダスティン・ジョンソン(32歳/アメリカ)やロリー・マキロイ(27歳/北アイルランド)、松山英樹(25歳)らと同じルールで、我々も競技を堪能できているのです。

 でもそれって、逆にしんどくないですか? 確かに、そうです。

 だからその代わりに、アマチュアゴルファーはレギュラーティーから短い距離を打っていい、という恩恵があります。さらに、ハンディキャップ制度があって、それで「アマチュアはうまい人との差を解消できる」ということです。

 じゃあ、なんで誰でも分け隔てなく、プレーそのものは同じルールでやろうとするのか?

 きれいごとを言えば、フェアプレー&平等の精神ですね。

 そもそもゴルフの黎明期はアマチュアしかいませんから、あらゆることがアマチュア主導で進化してきました。大きな試合も、最初はアマチュアばかりで、そこにプロが加わって、最初のうちはプロとアマが混在して競い合っていました。

 そこで、一緒にプレーできるのなら、ルールを分ける必要性がないと思ったのでしょう。まあ、ここまではあくまでも建前の話です。

 本音を言うと、英国伝統の「ベット」が盛んだからですよね。賭けゴルフ発祥の国ですから、プレーヤー同士は同じルールの上で戦ってこそ、”ニギリ”を堂々とふんだくれるわけです。

 ともあれ、R&Aがルールを簡単にするなら、我々もひと足お先にルールを見直してみましょうか。

 そんなことができるんですか? という方がおりますが、「プライベートルール」ということにすれば、十分可能です。

 だいたい「OKパット」なんて、正式なルールじゃありませんよね。正式にあるのは、マッチプレーのときのコンシード(※相手の次のストロークをカップインと認めること)ですから。

 各ゴルフ場が決めているローカルルールもあります。例えば、OBや池ポチャした場合は前進4打とか、今日は雨あがりなので「スルーザグリーンはオール6インチリプレース」でやってくださいとかですね。そういうのを事前にチェックしておけば、楽にラウンドすることができます。



厳しいことばかりではなく、楽しくラウンドできるのが一番なんですけどね...... 加えて、コンペなどでは幹事さんと協議して「OKパットはワングリップよりちょっと長めでもいい」とか、そういうのもプライベートルールとしてプレーするのは可能です。

 細かいルールはさておき、一番重要なのは”最大スコア”を認定するかどうかです。これは、今度のルール改正に向けても議論されていますから、そこで何かしらの答えが出てくると思います。

 R&Aが最大スコアを認めるなら、我々もコンペのときなどは、最大スコアを決めてラウンドしましょう。気の早い方は、今年からやり始めてもいいと思いますよ。

 では、最大スコアはどうやって決めましょうか。おそらく、一番決めやすいのは、最大スコアを各ホールのパーの倍にすることでしょう。すなわち、ショートホールは最大「6」。ロングホールは最大「10」とすること。

 これぐらいが妥当じゃないですか。だって、「10」以上叩くと、ゴルフに対してやる気が起きませんから。

 他、すべてトリプルボギーまで、というのも考えられるでしょう。ただこれは、非常にありがたいですが、ビギナーが多い場合はみんなが同じスコアになる場合もあります。とあるコンペを開催したら、参加者が下手すぎて全員同じスコアになった、なんて結構笑えます。

 あと”最大パット”というルールもありですね。

 アイゼンハワー大統領が好んで使っていた「アイゼンハワールール」は、グリーンに乗ったら全部2パットにする、というものでした。それは、アイゼンハワー大統領が心臓病を患っていて、パットを決めたり、外したりしたときに、その精神的な衝撃が心臓の負担になるため、主治医と相談してパットをしないように決めたんだとか。

 これは、ちょっと極端な話ですが、最大パット数を3〜4ぐらいにするのはありですよ。それ以上は数えない。

 やっとこグリーンに乗って、あとはパターのみと思って心安らいでいたら、そこから大叩き!? なんてよくあることです。これも、最大パットが決まっていれば、救える話ですよね。

 ルールを変えて、スコアを叩かなくなったら、今度はコース内の所作です。これも2019年のルール改正でだいぶ変わりそうですから、その行方もしっかり見届けたいと思います。例えば、ボール探しの時間短縮とか、打つ順番は準備ができた人からなど、結構踏み込んだルール改正もあるようですし。

 細かいことを言えば、本当はバンカーなどで”出ない地獄”に陥り、半べそをかいているような人を救済するルールもありかと思いましたが、それは最大スコアを採用すればいいですよね。「(バンカーで)いっぱい叩きました。そろそろギブアップして、『8』ということでいいですか」と言えば済む問題ですから。

 今後はそうなる予定(?)なので、しばし待ちましょう。

 ゴルフは、やはりレジャー的要素が強いので、とにかく楽しいラウンドをしないと始まりません。ルールに対して非常に厳しい方とラウンドして、「もう2度とゴルフはやりたくない」と語る方もいます。

 ルールが変われば、そんなこともなくなるでしょう。だって、ルール自体が簡単になるんですから。

木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

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