アマゾン・ドットコムはこのほど、外部の事業者が同社のeコマースサイトで、デジタルコンテンツなどを定期販売できるマーケットプレイスを立ち上げたと発表した。

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外部事業者、デジタル商品の定期販売可能に

 その名称は「Subscribe with Amazon」。同社には、顧客が特定の商品を定期的に繰り返し購入することで、価格を割り引いて販売する「Subscribe & Save(定期おトク便)」や、会員制有料プログラム「Prime」向けの映像、音楽配信サービス、電子書籍の読み放題サービス「Kindle Unlimited」がある。アマゾンはこのマーケットプレイスで、こうしたサブスクリプション商品を拡大する。

 アマゾンの説明によると、外部事業者は、ストリーミングやニュース/雑誌、学習、ライフスタイルといった、さまざまなコンテンツを、アプリやデジタルファイル、ウェブサイトを通じたオンラインサービスといった形で販売できるようになる。

 これには例えば、オンラインのフィットネス教室や、献立プラン、映画やスポーツなどの動画配信、クラウドのストレージサービスといったものもある。

 このSubscribe with Amazonは、セルフサービス型のマーケットプレイスだ。外部事業者はアマゾンのサイト内に自社製品のポータルページを作成でき、写真も掲載できる。消費者に提示する料金は、月額、年額、初回割引といった柔軟な設定が行えるとアマゾンは説明している。

 またこれらのデジタル商品は、アマゾンが販売する商品同様、同社のレコメンデーションエンジンの対象となる。これにより、顧客が閲覧するページには、その顧客の嗜好(しこう)に合った、外部事業者のデジタル商品も紹介される。

アマゾン、最大3割の手数料を徴収

 Subscribe with Amazonは、現在のところ米国の事業者を対象にしたマーケットプレイスだ。また音楽/ビデオのカテゴリーに入る商品は、別途承認が必要になるという。

 これはおそらく、商品が他者の著作権を侵害していないか、ポルノや暴力のように公序良俗に反するものでないか、といったことをチェックするのだろう。例えば、音楽レッスンのオンライン講座といったコンテンツでは、使用される楽曲が著作権を侵害する可能性がある。

 また、事業者が受け取る金額は、顧客の定期購入が1年目の場合、売り上げの70%、2年目以降は85%となる。

 米テッククランチによると、このマーケットプレイスは昨年から開発が進められ、今年に入って、ひそかに始まった。

 今回の本格的な立ち上げに伴い、同社はこれまで取り扱ってきたものも含め、さまざまな定期購入商品をこの1カ所に集めて紹介している。

 これについてテッククランチは、アマゾンで購入可能な定期購入商品を探したり、自分の定期購入状況を確認したりすることが、1カ所で可能になり、消費者にとって便利だ、と伝えている。

アマゾンの強みは顧客のクレジットカード情報

 また、事業者にとっては、膨大な数の顧客にリーチできるというメリットがあるという。とりわけ、アマゾンが持つ顧客の最新クレジットカード情報が事業者にとって魅力的なのだという。

 サブスクリプション商品を手がける事業者にとって厄介なことは、顧客のクレジットカードがやがて有効期限を迎えること。顧客はカードの期限が切れても、事業者のサイトで決済情報を更新しないという。

 これは、登録したサービスをすべて思い出せない、あるいは数多くあるネットサービスの一つひとつでカード情報を更新することが煩わしいからだという。その結果、顧客にその意思がなくても、定期購入は解約される。

 ところがアマゾンでは、顧客は比較的こまめに支払い情報を更新しているという。eコマースの最大手の強みは、こうしたところにも表れているようだ。

筆者:小久保 重信