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アダルトビデオ(AV)出演強要やJKビジネスなど、若い女性に対する性被害の根絶を訴えかける街頭キャンペーンが4月26日夕方、東京・渋谷でおこなわれた(主催:内閣府、警察庁、警視庁)。加藤勝信・内閣府特命担当大臣(男女共同参画)を含む約130人が、若者たちでにぎわう渋谷センター街をパレードした。

AV出演強要とJKビジネスの問題をめぐっては、政府が3月末、進学などで生活環境が大きく変わる今年4月を「被害防止月間」と位置づけて、被害防止を呼びかける街頭キャンペーンや女子大生を対象としたシンポジウムをおこなうと決定していた。この日は、昭和女子大でのシンポジウムのあと、パレードに先立って、JR渋谷駅のハチ公前で街頭イベントがおこなわれた。

加藤内閣府担当大臣は「若い女性が、スカウトに声をかけられて、同意をしていないのに性的な動画などに出演させられる被害が発生している。(このキャンペーンで)街なかでの声かけから被害にあうことを知っていただきたい」と呼びかけた。

警視庁の担当者は、AV出演強要のきっかけの一つである街中でのスカウト行為などについて取り締まりを強化していることを説明したうえで、「夢を持った若者たちの未来を台なしにする犯罪行為だ」「人間の尊厳を踏みにじる行為は断固として許さない」と強調していた。

●内閣府の担当者は一定の手応えを示した

ハチ公前でのイベントが終わったあと、加藤大臣や内閣府、警察庁・警視庁の担当者、AV出演強要の被害にあったことを告白したYouTuberのくるみんアロマさんらが横断幕を持ち、ブラスバンド隊を引き連れながら、渋谷センター街を約20分ほど練り歩いた。

パレード後、内閣府男女共同参画局の担当者は「スカウトが多いとされる渋谷で、強く関心を持ってくれる人もいた」と一定の手応えを示した。さらに、「内閣府だけでなく、警察庁や民間団体など、関係機関が一緒に取り組んで、幅広いメッセージを伝えていきたい」と話した。

一方で、このイベントの様子を眺めていたAV男優歴30年の辻丸さんは、弁護士ドットコムニュースの取材に「(加藤大臣がいたため)警備の人数がすごくて、ほとんどの人には伝わらなかったのではないか。もっと落ち着いて見える環境にすべきだったと思う」とコメントした。

(弁護士ドットコムニュース)