ジョン・ウー監督“日本人の素養の高さ”に驚く

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「フェイス/オフ」「ミッション:インポッシブル2」「レッドクリフ」など、数多くの名作アクション映画を手がけてきたジョン・ウー監督。2丁拳銃やメキシカン・スタンドオフ(※至近距離で2人以上の人間が銃を向け合っている状態)、スタイリッシュなスローモーション映像など、その過激かつ華麗なアクション描写で世界中のファンを虜にしてきた巨匠の一人だが、そんなジョン・ウー監督が4月26日、都内で行われた「2017-2018 ギャガ株式会社ラインナップ発表会」にサプライズゲストとして登場。自身の最新作「追補 MANHUNT」(2018年公開予定)の撮影エピソードなどをジョークを交えながら語った。

「追補 MANHUNT」は1976年に公開された日本映画「君よ憤怒の河を渉れ」(高倉健、原田芳雄共演。監督:佐藤純彌 原作:西村寿行)のリメイク作。4000万ドルという製作費を投じ、ダブル主演として福山雅治と中国の俳優チャン・ハンユーを起用、全編日本ロケを敢行するなど話題性に富んだ作品となっている。

「子どもの頃から日本映画が好きで影響を受けてきた」と語るジョン・ウー監督だが、今回監督をつとめるきっかけもそうした日本映画好きが高じて実現したもの。

同氏にとって俳優の三船敏郎さんや高倉健さんは憧れの存在で、高倉健さんとは存命中に「今度一緒に仕事をやりましょう」と約束もしていた。それが不幸にも先立たれることになり、オマージュを捧げるためにも(高倉さんの)作品を何か撮ろうと考えていた矢先、映画会社から「今度『追補』(『君よ憤怒の河を渉れ』の中国名。文化大革命後に初めて公開された記念すべき外国映画でもある)のリメイクを作るので監督をやってくれないか?」というオファーが舞い込み、快諾したそうだ。また、60年代、70年代の日本映画に対するリスペクトがあり、「いつか日本で映画を撮ってみたい」と夢に抱いていたことも影響しているという。

そんな“高倉&三船ファン”の監督がなぜ福山雅治を主演に起用したのか。福山とは以前CM撮影で一緒に仕事をしており、その時に「強い印象が残っていた」そう。加えて「君よ憤怒の河を渉れ」を観たさいに、原田芳雄さん演じる警部があまりにもクールすぎるところが気になっており、今作では「優しくて人間味のある雰囲気を持つ福山さんにお願いすることにした」という。監督の目には「福山さんの笑顔はみんながホッとして、幸せになれるイメージがあるし、彼の歌は“地球はみんな友達なんだよ”と、そんな思いを抱かせてくれる」そうだ。

長年の“夢”であった日本での撮影については、何よりも日本のスタッフのプロ意識の高さに感銘を受けたそうで、規則・規律を守り、その上で人間味もあることに「ハリウッドにも負けていない!」とベタ褒め。また、エキストラの人たちにも感銘を受け、「エキストラの方たちの95%がボランティアで撮影に参加してくれたんですが、40年映画を撮ってきてこんなことは初めてです」とも。「朝から翌日の明け方近くまできちんとやってくれるというのは非常に有り難かった」と感謝を述べるとともに、「この人たちのためにも良い映画を作らなければ」と決心したという。

また、大阪のおばちゃんがいつもポケットに飴を忍び込ませており、誰彼構わず「飴ちゃん食べる?」と聞いている姿に、「普通では考えられない」とこれまた衝撃を受けたとのこと。「追補 MANHUNT」には、たとえ国や文化、育った環境などの違いがあっても「ひとは友情を育める」というメッセージが込められているが、監督自身も今回の撮影を通じて日本の新たな側面を発見することになり、ますます日本に対する印象が良くなったようだ。

ちなみに、ジョン・ウー監督はすでに日本を舞台にした別の作品を撮影する計画を持っているそう。こちらの詳細は明らかにされなかったが、日本のファンは期待して良いかもしれない。