既に死亡した娘を抱え、バスに乗る母親(出典:https://www.thesun.co.uk)

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この女には母性というものが無かったのだろうか。虐待の果てに生後4か月の娘を死に至らしめ、しかもバスの中で病死したことに見せかけようとパートナーと企んだ。そして冷たくなっている我が子を抱いて女はバスに乗り込んだが、女の平然とした様子に駆け付けた救急隊員も驚きを隠せなかったという。現在、裁判が行われているこのカップルに、どれほどの刑が科せられるのか世間は注目している。英紙『The Sun』など複数メディアが伝えた。

昨年9月28日、英イーストロンドンのニューアムに住むロザリン・ベイカー(25歳)は、18人の異なる女性との間に25人(そのうち2人はすでに他界)の子供を持つジェフリー・ウィルトシャー(52歳)と共に、生後4か月になる娘を虐待死させた容疑で逮捕された。

ロザリンはエセックス州コルチェスターにある母親の自宅から、娘を連れてニューハムにあるジェフリーの狭いアパートに移り同棲生活をしていたが、幼い女児にとってそれは死へのカウントダウンに過ぎなかった。

ジェフリーは女児に激しい虐待行為を働くようになった。逮捕後のロザリンは「虐待があったことに気づかなかった」と話しているが、検死の結果によるとイマーニと名付けられた女児は肋骨骨折、手首骨折、頭がい骨骨折など複数箇所を負傷しており、日常的に虐待を受けていたことが明らかとなった。

イマーニちゃんは亡くなる前に少なくとも3回は床などに頭を打ち付けられていたことも判明しており、それが死に繋がったとみられているが、9月28日朝にロザリンは冷たくなっている娘を抱っこ紐で胸に抱え、バスに乗り込んだ。

バス内の防犯カメラには、その時の様子が明確に捉えられている。見送るジェフリーがロザリンにキスをし、バスのドアが閉まる瞬間にサムアップ(親指を立てる仕草)をしている。ロザリンは平然と亡き娘を抱えており、なに食わぬ顔で座席に着いた。

バスが走行して約20分後、ロザリンは子供の異常を周りの乗客に知らせた。まるでその時に子供の具合が突然急変したかのように見せかけたロザリンを疑う乗客は誰もおらず、乳児の命をなんとかして救おうと乗客らはパニックになりながらも999へ通報した。

乗客の一人が緊急オペレーターと話をしている時の様子も公開されているが、この乗客は慌てた口調で「赤ちゃんが息をしていない」と伝えている。オペレーターはCPR(心肺蘇生法)を試みるよう促すが、乗客はその時に乳児の唇が冷たくなっていることに気付いたという。

40分ほど、乗客らが乳児の状態を気にかけ駆け付けた医師らが救助を試みていた中で、ロザリンは落ち着いた様子で座席に座ったまま携帯電話から誰かにメッセージを送っていたり話したりしていた。現場にいた救急救命士のアンソニー・ステッドマンさんは「このような状態の我が子を目の前にして、彼女のように一度も容態を尋ねることなく平然としていた親は、私の18年のキャリアの中で見たことがありません」と述べている。

逮捕後、押収されたロザリンの携帯電話からは「イマーニが死んじゃったわ」というメッセージにキスを意味する「X」を付けて身内に送っていたことが判明している。ロザリンは取り調べでジェフリーが娘を死に追いやったと主張しているが、ジェフリーは「何が原因で死んだのかは全く想像もつかない」と話しており、両者ともに小さな命が奪われたことへの悲しみや反省の色はまるで見せていないという。

裁判でロザリンは「(9月28日の)朝、起きたら娘の顔と手が冷たくなっていて驚いた。目の上の傷以外は全く娘の異常には気付かなかった」と述べたが、「一部屋しかない狭いアパートで虐待が行われていれば気付かないはずはない」とダンカン・アトキンソン検察官は異議を唱えた。