日立製作所は25日、産業用コンプレッサー大手の米サルエアー社を2億4500万ドル(約1,357億)で買収すると発表した。今年度中の買収完了を目指す。北米地域に強力なネットワークを持つサルエアー社の買収を通じ、北米のコンプレッサー市場でのビジネスを強化する。北米の顧客向けに、IoT(モノのインターネット)サービス基盤である「Lumada(ルマーダ)」を中心としたIT関連サービスの拡大も狙う。

 日立製作所の空気圧縮機事業の売上高は非公表だが、サルエアー社との合計で700億〜800億円規模と見られ、2020年をめどに同事業の売上高を現在より2、3割多い1000億円超に引き上げる計画である。

 サルエアー社は北米に約200の販売店と約4000社に上る幅広い業種の顧客を持つ。建設現場や鉱山用の機械から、自動車や部品などの工場機械にいたる動力の製造や販売、サポートを手掛けている。とりわけ建設鉱山の機械の動力として強みがあり、市場としては北米以外で中国市場に強いという。2016年12月期の売上高は約432億円、17年度は458億円の見通し。16年度の純損益は124億円の赤字だった。日立は、買収後2、3年のうちに日立の平均値を超える業績にすることを目指している。

 一方で、日立は電子、食品、自動車業界の顧客が多く、日本および東南アジアを中心とした販売網が強い。同社の説明によれば、北米販売店が約50社、顧客が約200社であることから、同業における北米での販売網は一気に広がる。今回の買収により、北米とアジアが相互補完する関係にあることから、グローバル展開を加速させる狙いが読み取れる。

 25日夕、日立の青木優和副社長は、サルエアー社の顧客基盤を活用してITビジネスも拡大させることを強調した。空気圧縮機は自動車、建設、食品などに幅広く普及していることから、「ルマーダ」を用いた空気圧縮機の故障予兆診断サービス、工場内に設置されたカメラによる作業員の行動分析、設備の稼働分析や部品交換の効率化というものを提案していくという。

 日立は自動車などの工場や鉱山などに幅広く使われる空気圧縮機を重点事業と位置付けている。あらゆるモノをインターネットにつなぐ「IoT」技術に対応した製品を軸に、グローバル展開を加速させる同社の動きには今後も注目である。