踏切内の異常を見かけたらためらわず非常ボタンを(画像はイメージ)

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2017年4月15日、神奈川県川崎市にある京急線八丁畷駅に隣接する踏切で、男性2人が電車にひかれ死亡する事故が発生した。

NHKなどの報道によると、警報灯が点滅し始めた踏切内に入りとどまっていた男性を助け出そうと別の男性が踏切内に入り、巻き込まれる形で事故が起きた可能性があるという。18日には大阪府堺市の南海高野線でも線路内で動けなくなった女性を、別の女性2人が助け出すという事例も起きている。こちらで死傷者は出ていないが、危険だったことは確かだ。

助けに入らず非常ボタンを押す

冒頭の二例では、京急踏切を管理している京浜急行電鉄、南海電気鉄道それぞれから「トラブルがあった場合、線路内に入らず非常ボタンを押してほしい」とのコメントが発表されている。この二社に限らず、鉄道各社のウェブサイト上で確認できる情報を見ると、やはり踏切内や線路内でのトラブルを発見した場合は非常ボタンを押すよう呼びかけていた。

JR西日本のウェブサイトにある「非常ボタンの重要性」には、

「警報機が鳴り始めてから約30秒、遮断棒が降りてから約15秒で列車がやってきます。また列車は非常ブレーキを使っても、約600メートル近くは止まれません。直接救助に向かうのは危険ですので、絶対におやめ下さい」

と大きく記載されている。確かに、40秒程度で踏切内にいる人を助け出すというのは確実に安全な方法とは言えないだろう。しかし、ツイッターなどでは「いざボタンを押すとなると、ちょっとためらってしまうかもしれない」という声も見られた。

例えば、踏切内で車や人が立ち往生していたり動かないところを見かけ、非常停止ボタンを押したところ、車や人が立ち去ってしまったらどうなるのだろうか。結果だけを見れば、意味もなく電車を止めてしまったことになる。

J-CASTヘルスケアがJR東日本に取材をしたところ、対応した担当者は「非常ボタンを押してもよいケース、ダメなケースと細かく用意されているわけではないため、個々の事例に答えるのは難しい」としつつ、

「人命のために非常ボタンを押したことが問題となるというのは、一般的には考えにくいのではないでしょうか」

と話す。非常ボタンはホームにも設置されているが、踏切が見えるホームで異常に気がつき、ホームの非常ボタンを押すのはどうだろうか。匿名で取材に答えたある鉄道事業者は「ホームの非常ボタンは基本的にホームから転落した人がいる場合など、ホームでの異常を知らせるもの」と答えた。

「もちろん、人命がかかっているときにホームや踏切の違いはないことも確かですが、どちらのボタンが押されたかで我々の初動も違うので、最初の対応を誤る可能性もゼロではありません。踏切のトラブルには、できる限り踏切の非常ボタンを押していただければと思います」

非常ボタンを押した後はどうすれば

JR東日本の担当者は、非常ボタンを押した後の行動でも注意すべき点があると語る。

「ボタンを押した後でも、トラブルが解消されるまでは踏切内には絶対に立ち入らず、その場にとどまってください」

非常ボタンが押された瞬間その場で電車が止まるわけではなく、安全が確認されるまで危険な状態であることに変わりはない。ボタンは押したから助けに入るというのは厳禁だ。また踏切によっては非常ボタンを押した後の連絡先が掲示されているものもある。その場合はなるべく連絡をしてほしいとのことだった。