女性はホルモンバランスの変化、ダイエットによる栄養の偏りや食物繊維の不足、冷え、腹筋や肛門括約筋が弱いなどの理由で便秘になりやすいものです。その便秘が原因で起こる疾病が「痔」。意外と悩んでいる人は多いのに、恥ずかしさから病院に行くこともためらいがちに。しかし放っておいても悪化こそすれ、なかなか良くはなりません。今回は女性の痔について調べてみました。

痔はおじさんの病気ではありません

痔というと、中年のおじさんが困っているイメージがありますが、実は若い女性にも多いのです。ある製薬会社の調査によれば、日本人の3人に1人が痔にかかっているとも言われ、30代〜40代の女性の4割に痔の症状があるそうです。若い女性は便秘に悩んでいる人も多く、経産婦は妊娠・出産時に肛門周辺に負担がかかって痔になる人も多いそう。運動不足で筋力が低下し、様式便座ではついダラダラと「ながらトイレ」をしがちで、スッキリ用を足すのが苦手な現代人にとって、痔は意外と身近にある病気なのです。

痔の種類

ご存知の通り、痔には3つの種類があります。ここで復習しておきましょう。

●イボ痔

強くいきむことで、肛門周辺の静脈がうっ血し、肛門の内部や外側にいぼ状のものができます。小さなものが複数できることもあれば、大きなものがひとつだけの場合も。悪化すると腫れて痛む、出血する、いぼが肛門から外に出てしまうといった症状が出ることもあります。

●切れ痔

硬い便や大きな便、便秘と下痢を繰り返すことなどで肛門が傷ついたり、直腸肛門部の血行が悪くなることで肛門が切れたり裂けたりします。出血の量も便に混じる程度のものから、ペーパーに血が付く、便器に血が付くといったふうに個人差があります。痛みも人によってほとんど感じない場合と慢性的に痛みやかゆみがある場合があります。

●痔瘻

肛門から入った細菌が炎症・化膿を引き起こし、肛門周囲に膿がたまり、その膿が肛門の近くにトンネル状の穴を作りだします。男性に多い痔で、手術で治療することになります。

あなたは大丈夫? 痔の症状

最も気づきやすい症状のひとつは出血です。便に血が混じる、拭いたときに血がついている、便器に血が落ちているなど。排便時の出血は腸の異常である可能性もあるため、早めに肛門科を受診しましょう。排便時に肛門や肛門周辺に痛みがある場合も注意が必要。排便時に何かが出てきたり、指などで戻さないと戻らないのはイボ痔の症状です。

女性はなかなか肛門科を受診しにくいものですが、市販の薬が効かない場合もありますし、専門医に診てもらうのが早く治る近道です。今は女医さんがいる肛門科もあります。悪化すると長期化する場合もありますから、早めに治療を始めましょう。

痔の治療とともに、便秘の改善にも気を配りたいですね。腸内環境を整える食事やサプリメント、適度な運動、体を温めることを忘れずに、気持ちの良いお通じを習慣にしたいものです。


writer:しゃけごはん

 参考サイト痔に関するアンケート