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text:Takuo Yoshida(吉田拓生) photo:Hidenori Hanamura (花村英典)

■プロローグ

末っ子SUV デザインで個性を

アウディSUVの末っ子でありながら、しかし実際のアウディQ2は都市部の狭い道路や立体駐車場へのアクセスなど、我が国の交通事情に最もマッチした1台でもある。

このクルマを目の当たりした誰もが最初に目を止めるのは、一風変わったスタイリングであるに違いない。多面体/多角形をモチーフとしたポリゴン・デザイン・コンセプトは、今後アウディの他のモデルにも反映されるという情報はないが、しかし折り紙のようにエッジの効き、面が強調されたデザインは、アウディQ2のスタイリングに、実際のサイズ以上の存在感を与えている。

エンジンは1ℓ3気筒と1.4ℓ4気筒 1.4はCOD付き

Q2のモデル構成はカタログ・モデル3種に加え、限定車の1st エディションという構成になっている。

エンジンはベーシック・モデルのQ2 1.0 TFSIとQ2 1.0 TFSIスポーツが116psを発揮する1ℓ直列3気筒ターボを搭載。

一方上位モデルであるQ2 1.4 TFSIシリンダー・オン・デマンド(COD=気筒休止システム)スポーツと、それをベースとした1st エディションは最高出力150psの1.4ℓ直列4気筒ターボ・エンジンを積む。

トランスミッションは全車ツイン・クラッチ・タイプの7段Sトロニックとなり、駆動方式は前輪駆動となっている。

特徴はサイズを超越したスタイリングと実用性

アウディQ2の特長は斬新なスタイリングとパッケージングの妙である。

アウディ・デザインのアイコンであるシングル・フレームグリルを掲げることで一目でそれとわかるが、全体のイメージはカットされた宝石のように面が光を反射し、これまでにない表情を見せる。

車高が高められ、ホイール・アーチがタイヤを強調するあたりはSUVそのものの力強さだが、全幅は1795mm、全高は1530mm(1st エディションは1520mm)とコンパクトなので、これなら都市部の立体駐車場に容易に収めることができる。

一方室内は、前席はもちろんのこと、リア・シートも足元やヘッド・クリアランスがしっかりと確保されている。

またラゲッジ・スペース(405ℓ、最大1050ℓ)も絞り込まれたリアエンドから想像するよりはるかにスクエアな形状で扱いやすいラゲッジスペースを備えている。

さっそくアウディQ2に乗ってみることにした。


 
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■アウディQ2試乗記

280台の「1st エディション」


今回試乗したモデルは、アウディQ2の本邦導入に合わせてリリースされた280台の限定モデル、アウディQ2 1st エディション。

このクルマはQ2の最上位グレードである1.4 TFSI CODスポーツをベースとして、Sラインのスタイリング等でアップグレードされた魅力的な1台である。

視界が広く、包まれ感の高い室内空間

Q2の外観はこれまでも写真等で目にしていたので、実車では室内の作り込みに興味があった。

試乗車の内装は黒基調で、本革とクロスを使用したSライン仕様のシートが奢られている。運転席に座ると着座位置が思いのほか低く包まれ感が高い。

一方グラス・エリアは視界こそ良好だが高さがあまりないので、室内は昼間でも薄暗く保たれ、その暗闇の中にダッシュ・パネルとセンター・コンソールに沿って繊細な光の帯が浮かび上がる。

これは限定車の装備であるアンビエント・ライティングで、光の色を10種類から選んで雰囲気を変えられる。限定車の装備を除いて考えたとしても、Q2のインテリアはかなり大人びたスタイリッシュな印象である。

Sラインの質感とQ2の優位性


今回撮影に使用した1st エディションは隅々までSラインパッケージをはじめとする特別装備が盛り込まれ質感が高められている。

特に外観は車幅を強調するSライン・バンパーや標準より1インチ・アップとなる18インチ・ホイール等がアウディらしいプレミアムな雰囲気づくりに効いている。

もちろん走りの部分でもスポーツ・サスが組み込まれるなどバランスがとられている。現時点ではカタログ・モデルのQ2にSライン・パッケージのオプションは用意されていないので、Q2に都市型SUVらしい緊張感やスポーティな走りを求めるのであれば、1st エディションが唯一の選択肢となるだろう。

一方ライバルについてだが、アウディはQ2に「型破る」というキャッチコピーを掲げ新たなカテゴリーと謳っているが、実際はメルセデスGLAやミニ・クロスオーバーあたりと真っ向勝負を展開することになる。

実車を見て感じたのは、対ミニという点では、これはもう好みの問題のような気がするのだが、一方最大のライバルであるAクラスのリフト・アップ版というイメージが強いGLAに対し、Q2は同じくMQB-Aプラットフォームを採用するA3と完全に異なるイメージを獲得しており優位に立っていると思う。

また立体駐車場のことも考慮に入れると、全高が1600mm近辺となるQ3やBMW X1より日本市場においてはQ2の方が圧倒的に利便性が高いとも言えるのである。


 
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■セーフティ/コネクティビティ

先進装備はアウディ基準を満たす

アウディのSUVとしては最小モデルとなるQ2だが、しかしプレミアムカーとそれ以外を隔てる要素となった感があるセーフティとコネクティビティといった先進装備はアウディの基準をしっかりと満たしている。

先進のドライバーアシスタンスを満載

ベーシック・モデルとなるQ2 1.0 TFSIではオプションとして設定されていないものもあるのだが、売れ筋となるであろう1.0 TFSIスポーツや1.4 TFSI CODスポーツでは他のアウディ・モデルと同様の数々の先進装備が用意されている。

30km/h以上の速度で追従走行を可能にしたアダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)や走行中の衝突を回避するためブレーキ操作を行うアウディ・プレセンス・フロントはQ2 1.0 TFSI以外のモデルに標準で装備されている。

一方車線はみ出しを監視しレーンをキープするアクティブ・レーン・アシストや渋滞時の加速減速に加え、ステアリング操作までアシストしてくれるトラフィック・ジャム・アシストはセーフティ・パッケージとしてオプション設定されている。

Q2にはこれ以外にも、クラス感覚を超越した先進装備がラインナップされており、アウディらしい走りの質感の完成に寄与しているのである。

スマホとクルマでできること

ナビゲーションをはじめとするインフォテインメントやスマートフォンとの連携は、現代の自動車に欠かせない装備であり、性能の一部と言える。

Q2 1st エディションはMMIナビゲーション・システムや8スピーカー、スマートフォン・インターフェイスから成るナビゲーション・パッケージを標準装備しているが、カタログ・モデルのQ2でも1.0 TFSI以外ではオプション設定されている。

ダッシュボード中央のナビ・モニター以外にもメータ・パネル内に12.3インチの液晶ディスプレイを装備しており、そこにもアウディ・バーチャル・コックピットとしてメーター類やナビゲーションマップなどの表示を切り替えて映し出すことができる。

ナビはシフトレバーの後方、ドライバーの手元に備わるMMIコントローラーやタッチパッドで直感的に操作ができ、快適なスピード感で動いてくれた。

スマホとはUSB端子とブルートゥースを介して連携でき、スマホ内の音楽や地図、電話といった機能をMMIの操作で引き出せるようになる。

また携帯電話の回線でMMIのネットワークにアクセスすることで情報を集めることができるほか、オペレーター・サービスを利用できるアウディ・コネクトも利用可能となっている。


 
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■知っておくべき3つのトピック

可変ステアリングで小回りを手軽に


コンパクトなボディ・サイズによるアウディQ2の取り回しの良さはこれまでのSUVにない特筆すべき点と言える。その小回り性能をさらに気軽に引き出すことができる機能が、プログレッシブ・ステアリングの採用である。

中立付近はこれまで通りの感覚でハンドル操作ができるが、大きく切り増していくと舵の切れるスピードが早くなるこのシステムによって、最小限のハンドル操作で小回りをすることができるようになっている。

実際にハンドルを回してみると、右にも左にも1回転するだけでフル・ロックまで軽く舵が切れる。また普通に走らせている際にステアリングのギア比が変化するような違和感も全く感じられなかったので、システム自体の完成度も非常に高いと感じられた。

ポリゴンの締めはリア・エンドにあり


ポリゴン・デザイン・コンセプトを採用したアウディQ2のスタイリングの中でも特に目を引く部分がリア・エンドのCピラーに配されたひし形のパネル「ブレード」である。

ボディと同色も選べるこの樹脂パネルだが、アイス・シルバー・メタリックとマット・チタン・グレーというスペシャル・カラーを選択するとクーペ・ライクなスタイリングをより一層シャープなものにできる。

Q2 1st エディションではボディのカラーによってアイス・シルバー・メタリックかマット・チタン・グレーのブレードが標準で装備される。

実際にドライブするとどうなの?


試乗してみて感じたアウディQ2 1st エディションのドライブ・フィールは、名は体を表すといった感じで、これまでのアウディの上級モデルにも通じるカチッとした印象に満ちていた。

限定車の装備であるスポーツ・サスと18インチ・タイヤの組み合わせは大きな入力ではバシッという音を響かせるが、タイヤ自体もショルダーが丸く柔軟なことに加え、ダンパーと剛性の高いボディが一発で衝撃を収束させるので不快ではない。

ハンドリングにクセのようなものはなく、SUVにありがちな腰高感も皆無。巧妙な気筒休止によって燃費を稼いでいるはずの1.4ℓエンジンの「休止を覚らせない見事な仕事ぶりだった」という英国版AUTOCAR編集部からの情報にもあったように「売れない理由が見当たらない」1台といえる。


 
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数字で読み解くアウディQ2

1.0 TFSI1.0 TFSI スポーツ1.4 TFSI COD1st エディション
価格 2,990,000円 3,640,000円 4,050,000円 4,900,000円 
全長 4200mm 4205mm 
全幅 1795mm 
全高 1530mm 1520mm 
ホイールベース 2595mm 
車重 国土交通省 認可申請中 1340kg 
エンジン 直列3気筒ターボ 直列4気筒ターボ 
排気量 999cc 1394cc 
最高出力 116ps/5000〜5500rpm 150ps/5000〜6000rpm 
最大トルク 20.4kg-m/2000〜3500rpm 25.5kg-m/1500〜3500rpm 
ギアボックス 7速Sトロニック 
サスペンション(前/後) マクファーソン・ストラット / トーション・ビーム 
ブレーキ(前/後) ベンチレーテッド・ディスク / ディスク 
ステアリング ラック・アンド・ピニオン 
タイヤ 215/60R16 215/55R17 215/50R18 

 

 
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