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週刊新潮で報じられた不倫問題をきっかけとして、中川俊直衆院議員が、経済産業政務官を辞任し、自民党を離党した。

週刊新潮によると、中川氏は、元愛人と2011年に交際が始まり、2013年にはハワイで結婚式を挙げ、結婚証明書にもサインしたという。週刊新潮は「重婚ウェディング」と報じている。さらに、元愛人へのストーカー疑惑も浮上するという展開に発展している。

不倫相手と結婚式を挙げることは、なかなか想像しがたいが、「重婚」にはどんな法的問題があるのか。山口政貴弁護士に聞いた。

●「法律上」の結婚を重ねていた場合は「重婚罪」に

重婚罪とはあまり聞いたことがないと思われますが、れっきとした犯罪です。

刑法184条で「配偶者のある者が重ねて婚姻をしたときは、2年以下の懲役に処する。」と規定されています。この、「重ねて婚姻をする」と言うのは、既婚者が配偶者とは別の相手と法律上の結婚をすることを指します。

「法律上」というのがポイントでして、ただ単に不倫するだけでは当然重婚になりませんし、不倫相手と結婚式を挙げたとしても、同棲して事実婚状態,内縁状態であったとしても、婚姻届を出さない限り「法律上の結婚」とはなりませんので重婚罪にはあたりません。

もちろん,婚姻届を提出する際に役所でも重婚にあたらないかをチェックしますので、重婚罪が成立する可能性はかなり低く,役所の担当者が重婚を見落として婚姻届を受理したような例外的なケースに限られるでしょう。

中川氏の場合ですが、役所に婚姻届を提出したわけではなさそうですので、道義的な問題はともかく、重婚罪には問われないことになります。

とはいうものの、重婚罪が成立しなくても、不倫であることは間違いなく、当然、慰謝料請求の対象となりますし、離婚事由にもあたりますので、今回の件でお咎めなしとはならないでしょう。

(弁護士ドットコムニュース)



【取材協力弁護士】
山口 政貴(やまぐち・のりたか)弁護士
サラリーマンを経た後、2003年司法試験合格。都内事務所の勤務弁護士を経験し、2013年に神楽坂中央法律事務所を設立。離婚、婚約破棄等を専門に扱っており、男女トラブルのスペシャリストとしても知られる。
事務所名:神楽坂中央法律事務所
事務所URL:http://www.kclaw.jp/index.html