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■どんなクルマ?

質感向上、と謳うけれど……

近年、日欧各車がピックアップの新規設定や刷新に力を入れている。SUVのオルタナティブではなく、カンパニーカー需要が中心というのもおもしろい。

そんななか、古豪のいすゞは、D-マックスの4気筒ディーゼルを新型に換装し、外装を刷新。室内では、装備と質感を改善した。

また、5グレード全てにおいて、標準装備の内容と積載重量が高められている。

■どんな感じ?

ほどほどの妥協も必要か

乗り心地やハンドリングにはある程度目をつぶる必要がある。

たとえばリアに先進的な5リンク・サスペンションを用いた日産ナバラでも、快適性やダイナミクスは大型SUVの水準に及ばない。

D-マックスのそれは、そんなピックアップの標準的なレベルだ。

次のページで詳しく見ていこう。

道によってはバタつく?

スプリングはリーフで、今回の試乗車であるトップ・グレードの「ブレイド」には18インチ・ホイールが装着される。

空荷の状態では、想像通り落ち着かない。荷台を満たせば、上下動は収まるものの、轍や舗装のえぐれに当たればバタつく。

もっともそれは、リーフ・スプリングのライバル車でも大同小異。取り立てて批判する類の性質ではない。

ステアリングは重くスローで、中速コーナーで路面の傷みなどがあれば容易に挙動を乱す。しかしこれも、このジャンル全体の傾向だ。

問題は洗練性である。

洗練性はライバル以下 実用性は競合と同等

積載量が多いとエンジンは耳障りで、高速道路レベルの速度域では、風切り音やロード・ノイズもライバルより大きめだ。

2.5ℓから1.9ℓへ縮小したエンジンは、パワーは同等だがトルクはわずかにダウン。ただし、CO2排出量は37g/km、燃費は3km/ℓ弱改善され、ユーロ6に適合した。

加速タイムは未発表だが、そこを気にするユーザーは少ないだろう。6速ATのゆったりした性格も、そのことを示唆している。

それより重視されるのは、運搬能力であるはず。3500kgの牽引重量は日産やフォルクスワーゲン、フォードの競合車と同等。

いっぽう1101kgの積載量はVWアマロックに迫り、このクラスのダブルキャブとしては最高水準に近い。荷台は、欧州基準パレットの積載を想定した寸法となっている。

室内環境はどうだろう?

スペースは良好 ポジションは不満

室内は、成人4名乗車に十分な広さだ。しかし、運転席はやや高すぎ、ステアリングホイールのアジャストはチルトのみなので、ドライビング・ポジションには不満が残る。

このグレードでは本革シートやピアノ・ブラックのトリムが備わるが、質感は日産やフォルクスワーゲンに及ばない。

カラーの9.0インチ・タッチパネルを持つインフォテインメント・システムもこのブレイド限定装備だが、操作性も反応も良好。スマートフォンとの同機機能は、このクラスでは注目に値する。

■「買い」か?

ベストバイとは言い難い

日産より高く、フォルクスワーゲンより安価。とはいえ、社用車なら価格は自家用車ほど重要性を持たないだろう。

シート・ヒーターやブルートゥース、前センサー/後カメラの駐車アシストなど標準装備の充実度や、5年/20万km保証や1年/2万kmの整備間隔もライバルに勝る。

それでも、このクラスのベストバイとは言い難い。

旧型より熟成度が増したとはいえ、運搬能力や維持費で同程度の競合には、もっと快適で、洗練され、質感も高いモデルがある。

いすゞD-マックス・ブレイド・オート

■価格 £33,541(476万円) 
■最高速度 180km/h 
■燃費 12.8km/ℓ 
■CO2排出量 205g/km 
■乾燥重量 1949kg 
■エンジン 直列4気筒1898ccガソリン 
■最高出力 165ps/3600rpm 
■最大トルク 36.8kg-m/2000-2500rpm 
■ギアボックス 6速オートマティック