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 米国の16人の退役軍人高官が国家の安全の為に、トランプ政権の誕生以来中断しているキューバとの関係進展を継続するようにホワイトハウスに陳情したという事実がスペインでは4月21日付の『EL PAIS』が明らかにした。(参照:『El Pais』)

 それは書簡の形で大統領補佐官H.R.マックマスター陸軍中将に送られたものだ。その中で、彼ら軍人は<「米国政府が経済的そして政治的に繋がりをもたないとなると、その空白を埋めるべく、米国に対抗するロシア、中国、その他の国が接近を早めようとすることは疑いのないことだ」>と表明したとしている。

 更に、彼らが指摘しているの<「カリブ海におけるキューバのポジションは米国に非常に近く、テロリズム、国境のコントロール、麻薬取り締まり、環境保全などの面において同盟国となってしかるべき国であり、戦略的にも非常に重要な価値をもっている」>ということである。更に、<「キューバとの関係回復を完成させることは、米国のラテンアメリカとの繋がりを再構築するのに役立ち、と同時に敵を孤立させることが出来る」>と言及しているという。

◆トランプ大統領以降、キューバとの関係は再停止

 トランプ大統領が誕生して以来、キューバとは如何なる交渉も持たれていないのが現状である。

 彼ら軍人は大統領補佐官が同じ軍人であるということから、共通した概念を持っていると判断してこの書簡を送ったようである。しかも、国防総省のマティス国防長官とマックマスター大統領補佐官のコンビが米国の軍事外交をリードするようになっており、トランプ大統領自身の発言力は低下していると憶測されるようになっている。

 一方、ホワイトハウスの見解は、オバマ前大統領が対キューバとの関係で合意したことなどを現在照査しているところであり、キューバの件はトランプ大統領にとって早急に対処するべき案件ではないと判断している、という回答をしている。

◆厳しいキューバの国内事情

 キューバの国内事情は厳しい状況にある。GDPで3%以上の経済成長が必要であるが、それに至るには程遠い成長しかしていない。しかも、キューバにとって一番必要な外国からの投資が少ないという問題を抱えている。

 ベネズエラが経済的に潤っていた時には、同国から安価な原油が国内消費さらに、それを再輸出できるまでの量の供給を受けていたが、現在その供給量も急激に減少している。それを補うべくロシアから安価な原油の提供を依頼しているが、その反応はまだ具体化されていない。

 しかも、トランプ大統領やキューバ2世議員らが要求しているキューバの社会改革が容易ではないという事情もある。それが、トランプ大統領をして両国の関係進展に消極的である理由となっているのだ。

 そのひとつがキューバの兌換ペソとペソ・クバノという2つの通貨が存在している問題である。兌換ペソは外人による使用が対象になっている通貨で、ペソ・クバノはキューバ人が日常使う通貨である。その2つの通貨の価値は1ドルが24対1となっている。即ち、仮にキューバ人がドルを手に入れようとすれば24倍の対価を払わねばならなくなっている。外人対象の乗り物などは兌換ペソで割高になっている。この二つの価値の差を利用して国営企業は成り立っているのである。

 仮に、これを一つに統一しようとすれば、<6割の国営企業が成り立たなくなり、200万人の官僚の職場が消滅する>とされている。(参照:『Publico』)

 また、2018年にラウル・カストロは評議会議長のポストを辞任することは既に表明しているが、その後のキューバがどのような政治を展開するか未知数である。

◆虎視眈々と狙うロシアと中国