写真:日刊スポーツ/アフロ

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昨年11月、福岡市民の度肝を抜いた大規模な道路陥没事故。原因の地下鉄トンネル工事を巡っては、事故の発注者である市交通局が、第三者委員会とは異なるデータを採用して真っ向から反論するという、異例の構図となっている。

 福岡市・JR博多駅前の市営地下鉄七隈線工事現場で2016年11月8日の早朝に起きた、道路の陥没事故。都心の目抜き通りのアスファルトが、ズドン、ズドンと地中に落ちていく映像は、国内外に大きな衝撃を与えた。

 陥没の原因を探るべく、市の要請で、土木工事の専門家や現役の国土交通省幹部などによって組織された第三者委員会「福岡市地下鉄七隈線延伸工事現場における道路陥没に関する委員会」は3月30日、事故原因に関する報告書を公表した。

 だがその前日の29日、福岡市交通局は地質調査について、第三者委の見解と大きく異なり、自らに有利となる見解を公表。国土交通省やゼネコン関係者の間で反感を買っている。

 30日の第三者委の報告書は、主な原因として、トンネル上部の「難透水性風化岩層」といわれる地層が、実際には事故前の想定より薄いうえに、変形しやすい箇所があり、亀裂が多かったため地下水を通しやすく、脆弱だったとの見方を示した。報告書自体は、発注者の市交通局と、施工者である大成建設などゼネコンの共同企業体(JV)のどちらに多くの責任があるかは言及していない。

 とはいえ、事故前のトンネル上部の地質の把握が結果的に不十分だったと述べてはいるわけだ。

 一方で、市交通局が29日に公表した文書は、事故の前後で地質の把握状況に「相違はない」と断定した。

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