「職場で午後20分の昼寝を」英科学者が推奨 創造性、問題解決能力、免疫力がアップ

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 ランチでお腹がふくれた午後の勤務中に強い眠気がおそってきたとき、多くの方はカフェインを胃に流しこんでグっと眠気に耐える方法を選ぶのではないだろうか。しかし、もしデスクで昼寝をしている社員が「より良い仕事」をするためにしばしの休息をとっているのだとしたら、それは合理的な方法と言えそうだ。じつは、オフィスでの短時間の昼寝が、社員の仕事能率に良い影響をもたらすという。

◆午後2時から4時の間に20分推奨
 3月25日付けの英国の大衆紙サンの記事では、睡眠の専門家である英リーズ大学のNerina Ramlakhan博士が、勤務中の昼寝のメリットについて語っている。博士によれば、職場における短時間の昼寝で、創造性、問題解決能力などがアップし、さらに免疫システムのバランスを整える効果が見込めるのだという。その際、推奨される仮眠時間は20分。夜間の睡眠に影響が出ぬよう、午後2時〜4時の間にとることが好ましいとされる。

 多くの職場において、同じ給料体系の社員たちは、同じ時間働くことを求められがちだが、自宅での休息時間はそれぞれ異なる。帰宅後も介護や育児に追われて、睡眠を削っている社員もいるだろうし、睡眠障害を抱えている社員も、夜勤明けで働く社員もいるだろう。強い疲労感や眠気を感じやすい時間帯に「20分〜30分の昼寝の自由がある」というのは、労働者の働く意欲にも大きく寄与するのではないだろうか?

◆たった10分の昼寝でも集中力を取り戻すのには有効という説も
 日本においても、睡眠学に精通した精神科医である内山真氏が著書『睡眠のはなし』において、昼寝と作業能力の関係について言及している。それによると、午後、「ぼおっとして集中力や作業能力が低下する」現象に対して、短い昼寝は防止効果があるという。

 Nerina Ramlakhan博士が20分の睡眠を推奨しているのに対し、内山教授はオーストラリアで行われた研究を参照し、昼寝時間は10分がベストだという説を紹介している。5分、10分、20分、30分の仮眠を比較したところ、「眠気を減少させる」という点では10分が最も適していたという結果になったというのだ。

 20分以上の仮眠は、眠りが深くなるゆえに眠気の軽減効果が少なくなるとのこと。たとえ短時間であっても、満足な睡眠がとれずに眠気で苦しんでいる時間帯に少しの時間、目を閉じることで頭がスッキリすることもあるのだろう。このように、昼寝の最適時間は個人差がありそうだが、「オフィスでの昼寝は、長い目で見れば絶対に管理職のためになる」と語るNerina Ramlakhan博士の言葉は、とても興味深い。

◆生産性低い日本。試してみるのもアリ?
 現在、日本の労働生産性は、1970年以来、OECDの主要先進7ヶ国の中では最下位の状況が続いている。その原因としては、長時間勤務による労働効率の低さや、定められた規則を忠実に守り、リスクやクレーム回避のために会議や資料作りが避けられない組織の性格などがあげられる。

 なかなか融通のきかないオフィスにおいて、「短時間の昼寝」という自由が認められることで、社員に労働意欲や「ライフ」を充実させるエネルギーをもたらし、仕事の質の向上として還元される可能性があるかもしれない。