「いわゆる五月病に罹ると、中高年男性はEDを併発する可能性が高いんです」
 こう語るのは、性感研究の第一人者で医学博士の志賀貢氏だ。
 「暖かい春を迎え、心も陽気に…という一方で、入学や入社、異動などがある節目の季節。4月の間は新しい環境に緊張していたものの、5月頃になると環境の変化になじめなかったり、“何かが違う”と感じたり、憂鬱にもなりやすいのです」

 また、自分以外の周りが幸せそうに見えてしまって、落ち込むことも多いという。
 「基本的に五月病は若い人が罹りやすいと言われますが、中高年男性も同じ。特に、男性は加齢とともに男性ホルモンが減少するぶん、若い頃に比べてヤル気や気力が湧きにくい。そのため春にうつ病を発症してしまう方も多いんです」
 とにかく深く考え過ぎないことが大事。何より心の不調は男性機能の低下も招くのだ。

 EDの要因の約8割は心因性で、ストレスなどが原因で勃起力も弱まることが多い。
 「それで負の連鎖も起こるのです。ただでさえ落ち込みやすい時期に、ベッドでみっともない姿を晒してしまった…その結果、“俺はもうダメだ”とふさぎ込んでしまって、性行為が怖くなり、EDも悪化するんですね」

 こうした事態を避けるには何を心掛けるべきなのか。
 「良くも悪くも“開き直る”ことなんです。今まで見てきた事例で多いのは、中高年になっても『まだまだ俺は女を口説ける』と息巻いて、狙いの女性に声をかける。ところが思ったよりうまくいかず、少なからずショックを受けてしまう」

 うまくいけば問題ないのだが、失敗した時のダメージが大き過ぎるのだ。先にも話した通り、春デートを楽しむ周囲のカップルを見て、余計に落ち込む。
 「男性として自信をなくしてしまうんです。なので、私としては春だからといって、無理に女性をなんとかしようと思わないこと。むしろ、おとなしく過ごしたほうがある意味、身のため」

 とはいえ、女性を抱きたいのは季節を問わない。
 「そんな時はイメージトレーニングをするのです。狙いの女性と仲良くデートしている光景からセックスまで至るシーンを想像して、オナニーも楽しむ。人間というのは不思議なもので、そうやって頭の中に描いた妄想が幸せであれば、それだけでもストレス解消になるんです」

 日頃、そうした幸せなイメージを膨らませておけば、例え失敗した時も受けるダメージが少ないという。
 「ちなみに、女性はいつの時代も“楽しそうな男性”に惹かれる傾向があります。ゆえに、普段の生活でもよく笑うことが大事。些細なことでも面白ければ笑う。何事も前向きにとらえて落ち込まない。この時期こそ、心掛けておく必要があります」

 そうすることで、こちらから声をかけなくても、女性から寄ってくることもある!? そして、セックスでも開き直ることだ。
 「セックス前に女性にひと言『年だからダメかもしれないけど』と軽い感じで告げておくんです。これだけでかなりストレスなく、セックスに挑めますよ」

 心の不調を起こさないように、自己ケアしておこう。

志賀貢
医学博士。内科医として診療する傍ら、260作以上の小説やエッセイを執筆。また、性感研究の第一人者で『かなりHな夜の教科書』(河出書房新社)など、医学的見地に基づいたセックス&口説き術にまつわる著書も多数ある。