<オバマ前米大統領が退任後初の演説を行い、昔懐かしい気さくな語り口で若者らに市民参画を奨励したが、立派な「元大統領」になるにはまだまだ修行が必要だ>

バラク・オバマ前米大統領が月曜、久しぶりに表舞台に戻ってきた。(トランプには)見られない鋭い知性や満面の笑顔、自然体が醸し出すカリスマ性など、オバマがアメリカにもたらした良い面を改めて思い起こさせた。

米シカゴ大学で学生や高校生を前にした演説で、次世代の若者がもっと活躍できる社会に変えたいと語る姿はさすがだった。ステージに上りながら「私の留守中に何があったんだ?」とジョークも飛ばした。

ボランティアや大統領の職務について学生たちと面白おかしく会話を広げ、コミュニティー・オーガナイザーとして活動した自身の体験談を披露した。多様性に満ちた若者のリーダーたちが集まったイベント会場は、まるでまだドナルド・トランプが新大統領に就任した1月20日以前にタイムスリップしたかのようだった。

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だが、感動的なイベントでオバマは粋だったとしても、立派な「元大統領」としてはオバマはまだまだ修行中、というのも明らかだった。

退任後の名を上げる活動とは

もちろんオバマにはさまざまな活動が待っている。金儲けもその一つだ。月曜の演説は無償だったが、報道によると、今後は一講演で25万ドル以上の収入が入る。本を執筆し、その印税でシカゴ大学に大統領在任中の記録を収める図書館や大統領記念館を建設するほか、母校コロンビア大学にも研究機関を設立する考えだ。

現代の大統領が皆、引退後にやってきたことだ。ジェラルド・フォード元大統領は、大企業の取締役会に名を連ねることで荒稼ぎした。ジミー・カーター元大統領は慈善活動で精力的に取り組んだ。ジョージ・W・ブッシュ元大統領も、退役軍人の支援やアフリカでのHIV(エイズウィルス)撲滅運動に携わってきた。今のオバマは、その途上にいるのだ。

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次世代を担う若者が政治やボランティア活動に参画しやすくするというオバマの発想は、前任者たちと重点が異なっているので好奇心をそそる。ただ、オバマが開けようという扉は、既に開いている。いま全米の大学で、学生の行動主義を阻むものは何もない。

確かに若年層の投票率は低いが、時に政治が面白くなると跳ね上がる。オバマが大統領選に出馬した2008年が良い例だ。彼が民主党予備選でヒラリー・クリントンを破り、最後には共和党候補のジョン・マケインに勝てた原動力は、若い世代だった。

オバマは勘違いしている。若者が行動するのは誰かにやれと言われたときではなく、自分たちにとって政治が重要な意味を持つと感じたときだ。

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マシュー・クーパー