(c)Marvel Studios 2017

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 マーベル・スタジオが先週、親元のウォルト・ディズニー・スタジオに記者たちを招き、製作中の多数のマーベル映画に関する情報を提供した。『スター・ウォーズ』を製作するルーカスフィルムと同じくらい“秘密主義”で知られるマーベルにしては実に珍しいことだ。

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 ここ数年、マーベル作品は毎年数本公開されているが、今年から来年にかけてはさらなる怒涛の公開ラッシュを迎える。「マーベル・シネマティック・ユニバース」(MCU)というヒーローたちが共有する架空の世界で展開し、キャラクターやストーリーがクロスオーバーすることもあるマーベル作品。数年ごとに作品が「フェーズ」で区分けされ、昨年公開された『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』からは「フェーズ3」に突入。1月に公開された『ドクター・ストレンジ』を含め、今年から2019年までに公開される予定の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』、『スパイダーマン:ホームカミング』、『Thor: Ragnarok(原題)』、『Black Panther(原題)』、『Avengers: Infinity War(原題)』、『Ant-Man and the Wasp(原題)』、『Captain Marvel(原題)』、そしてタイトル未定の『アベンジャーズ』4作目が「フェーズ3」の作品に確定している。

 スタジオに招かれた記者らは、こうした「フェーズ3」の最新作の資料映像などをもとに、プレゼンテーションを受けたという。ファンからは特に期待の高い『Black Panther』は、「特殊効果も加えられておらず、色彩補正もされていない粗い、下見用フィルム映像」が公開に。それでもチャドウィック・ボーズマン演じる、アフリカのワカンダ王国の王、ブラックパンサーのかっこよさは、十二分に引き出されていたと「The Hollywood Reporter」の記者は太鼓判を押す。来年2月16日の全米公開に向けて撮影はすでに終了しているようだ。スパイダーマンが『アベンジャーズ』の4作目に出演すること、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズの監督・脚本を務めるジェームズ・ガンが、2作目の公開前にもかかわらず、すでに3作目の製作に前向きなことも明らかになった。

 スタジオではマーベル・スタジオの社長ケヴィン・ファイギと記者たちとの会話の場も設けられたといい、ファイギはマーベルにおける最新トピックについてオープンに語った。誰もが気になっていたのが、数々のMCU作品に脚本家や監督として関わってきたジョス・ウェドンが、つい最近マーベルの最大のライバルであるDCコミックスの『Batgirl(仮題)』の監督に決定したことだ。裏切りとも感じられ、ショックを受けたファンも多い中、ファイギは意外にもウェドンをサポートする姿勢を見せた。それは、報道前にウェドンがファイギに報告していた義理堅さがプラスに働いたのかもしれない。「数か月前に連絡をもらっていたから知ってたよ。彼は本当にクールで良い人だ。僕らはジョスを応援するし、彼の監督した『Batgirl』をぜひ観たいと思ってる」。

 ライバル同士のマーベルとDCコミックス、どちらにも関わる監督もレアだが、マーベル内でも特殊なことが起きている。2018年5月4日に全米公開の『Avengers: Infinity War』でサノス役を演じるジョシュ・ブローリンが、同年6月1日に公開される『デッドプール2』でケーブル役という、MCU内で“違う”役を演じることが決まったのだ。これに対してファイギは「同じ俳優が(MCU内で)違う役を演じたらダメという契約はしていないし、インディ・ジョーンズとハン・ソロだって同じ俳優だけど、問題ではないよね? それに、サノスとケーブルは全く違うキャラクターだから(いいと思うんだ)」とコメントしている。

 しかし、ファイギには譲れない点もあるという。マーベルでは珍しく、R指定を受けた『デッドプール』と『ローガン』が爆発的ヒットを放ったが、ファイギはR指定の映画製作には否定的だ。「どちらの作品も、R指定であることが成功の要因ではないと考えている。リスクを負いながらもチャンスをものにし、クリエイティビティの限界を突き破ったことが成功につながった。みんな、この点を考慮するべきだ」と言い、これから先はR指定の映画製作は考えていないことを明かした。

 「フェーズ3」の最新作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』は、日本では5月12日から公開が始まる。今後もMCU作品はますます盛り上がることが予想されるので、過去の作品を観ておくとより一層楽しめるであろう。(賀来比呂美)