Doctors Me(ドクターズミー)- 目に直接色を付ける!?「眼球タトゥー」の危険性を医師が警告

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皆さんは、眼球タトゥーという言葉を聞いたことがありますでしょうか? 海外ではおしゃれのために、直接眼球の色を変える施術が行われているようです。

日本であまり知られていない眼球タトゥーですが、実際に事故も報告されており、目への様々なリスクも懸念されております。

今回は「眼球タトゥー」について、施術内容とリスクについて医師に詳しく解説していただきました。

眼球タトゥーとは


眼球を正面から見たとき、茶色く見える部分が虹彩で、そこを覆っているのが角膜という透明な部分です。角膜を通して虹彩が透けて見えるので、「黒目」と言われます。

その周りを取り囲んでいる「白目」の部分は、表面にぶよぶよした透明な「結膜」があり、その奥に白くて硬い「強膜」があります。

結膜と強膜はゆるくくっついているだけで、間には隙間があります。見た目を変えることを目的に、この隙間の部分に、色付きの液体を流し込んだり、結膜や強膜の一部に色素を注射することを眼球タトゥーと呼ぶようです。

海外の施術中の映像を見ると、局所麻酔で、特に消毒などもせずに行われているように見えます。

眼球タトゥーの施術事故例


ブラジルからの報告で、25歳の女性が眼球タトゥーを受けた翌日に、視力低下と目の痛みを訴え、眼科での診察の結果、どうやら色素を注入する針が眼球の壁を突き抜けて、色素が黒目の内側に入ってしまったらしいという人がいたようです。(参考)

この方は目の中に炎症を起こし、目の圧が上がる緑内障にもなってしまい、3カ月経っても状態が落ち着いていないことも報告されております。

本来眼球タトゥーは、目の表面にある結膜のみを操作するものと思われますが、針が奥まで入りすぎてしまったのでしょう。

目の構造や繊細な操作に習熟していない人が行えばこのようなことも起こりえます。

眼球タトゥーの安全性


眼球に色を付けるということ自体は目新しい考えではなく、古くは、怪我やトラコーマなどの感染症にかかったことによって、黒目(角膜)が白く濁ってしまい、見た目が悪くなった方のために、角膜に墨を入れる「点墨(てんぼく)」という技術がありました。

現在行われているような、おしゃれ目的での眼球タトゥーについても、眼球の構造を理解した医師が、十分な消毒と感染対策をして、人体に安全な色素を使用して行うのであれば、安全にできる可能性はあります。

しかし現在、少なくとも日本の美容外科クリニックでは、眼球タトゥーを施術メニューに加えている例はないようです。

眼球タトゥーによるリスク


失明


麻酔や色素を注入するための針が、眼球の壁を貫き、眼球内に異物が入れば、視神経に圧がかかったり目の血流に異常が生じて、その場で失明することもあり得えます。

また、網膜がはがれたり、目の中の炎症が起こって時間が経ってから失明することも考えられます。

感染


針を刺した穴に感染を起こせば、目だけでなく奥にある脳や血管にも影響が及び、命に係わる可能性があります。

結膜と強膜の癒着


結膜と強膜の間に異物が入ると、治る過程でそれまでよりも強く接着する(癒着する)ことが考えられます。

緑内障という病気の手術で、目の中の水を結膜と強膜の間に導くことで治療をすることがありますが、癒着があるとこの手術を受けることができません。

その他


眼科手術についても、眼球タトゥーをしたことがあると、手術がやりにくくなる可能性があります。

眼球タトゥーで目に異常が出た場合の治療内容


感染であれば、点眼・内服・点滴で抗生剤の投与が行われます。

それ以外の場合は、検査で病状を把握し、それに応じた治療が行われます。様々な病状が考えられるため、一概には言えません。

眼球タトゥーだけじゃない!眼球ピアスもあった


ピアスと言っても、眼球を貫くわけではなく、結膜と強膜の間に平べったいスパンコールを埋め込むことを眼球ピアスと呼ぶようです。眼球タトゥーと同様のリスクが考えられます。

最後に医師から一言


カラーコンタクトレンズで目の色を変えるのでは満足できず、体に傷をつけて見た目を変えることに意味を見出す人もいるのは理解できますが、ブラジルからの報告のように、重大な問題を引き起こすこともあり得ると知っておく必要があります。

(監修:Doctors Me 医師)