遠慮せず召し上がれ。ただし…

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米国で昨年初めごろから進んでいた卵(鶏卵)に対する見直しがぐんと加速している。かつては2型糖尿病の発症リスクとの関係が指摘されるなどして、すっかり悪者扱いされていたが、数年前に、卵が同リスクを高めるどころかむしろ低下させるという研究結果が示され、評価反転のきっかけになった。

そして、その流れを後押ししたのは、このほど亡くなった世界最高齢女性の長寿の「秘密」。幼いころから毎日生卵を食べ続けていたという。

病気によってはリスクは低下

米国のニュース専門ケーブルテレビ局、CNNのウェブサイトにある「健康」セクションに17年4月15日付で「卵は健康にいいの?」と問いかけの見出しがついた記事がアップされた。

記事では「良質のタンパク質を含み、ヒトが食事でしか摂取できない9つの必須アミノ酸をすべて摂れる」などと、見出しの問いかけに答えるように、卵の豊富な栄養についてレポートをしている。

卵をめぐっては、2型糖尿病との関係のほか、コレステロールの含有量の高さから冠状動脈性心疾患や脳卒中のリスクとの関連がとりざたされるなどして、だれもが食べたい気持ちを我慢するようなモヤモヤ感をもっていたという。

だが数年前に英医師会誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」で、1日1個の卵摂取と、冠状動脈性心疾患や脳卒中などのリスクとは関連がないとの研究結果が報じられ、さらにフィンランドからは、卵を食べるほど2型糖尿病の発症リスクが低下したとの報告がもたらされ、卵はほぼ復権を果たしたという。

米国臨床栄養学会誌に15年4月に掲載されたフィンランドの研究者たちによる報告によると、同国の42?60歳の男性2332人について19.年以上にわたり追跡したところ、432人が2型糖尿病と診断され、その食生活を調べた結果、1週間に卵を4個ほど食べた人は、約1個食べた人よりも2型糖尿病のリスクが37%も低くなった。

最高齢女性は幼いころから毎日2個

米保健福祉省と米農務省が16年1月に公表した「米国人のための食生活指針(2015-20)」では、卵に対する評価が高く、先のCNNの記事では「政府が青信号をともした」としている。同記事の筆者、リサ・ドレーヤー記者は栄養士の肩書を持つ。

同指針では、卵の特長として、細胞膜の構成と補修に不可欠な水溶性の栄養素、コリンの最大の供給源と紹介している。

ギネスブックで世界最高齢と認定されていたイタリア人女性のエマ・モラノさんが4月15日に117歳で亡くなったあと、CNNの「健康」セクションでは、16年11月のモラノさんが117回目の誕生日を迎えた当時の記事を再フィーチャー。同記事ではモラノさんが病気がちだった幼いころに医者に勧められ、毎日生卵を食べ続けてきたことを紹介している。

ドレーヤー記者は「卵は健康にいいの?」の記事のしめくくりで「卵を食べるのに遠慮はいりません」とアドバイス。「ただし、野菜やフルーツ、穀物を一緒に食べることをお忘れなく」と付け加えている。