最後の国内合宿に臨んだ内山ジャパン。本大会ではグループリーグ突破を果たしてほしい。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 5月のU-20ワールドカップに出場するU-20日本代表が、登録メンバー発表前最後の国内キャンプを行なった。何人かの主力がいなかったけど、最終選考の意味合いもあっただけに、選手たちは必死の想いでキャンプに挑んだのではないだろうか。

 トレーニングマッチでは、メンバーを落としたJ2の千葉に4-1で快勝した。個々の調子を見極めるという点では問題ないにせよ、強化試合としてはいかがなものか。せめてJ1のクラブと戦って、現時点で自分たちはどこまでできるかを知る機会にしてほしかった。

 本大会では、最低でもグループリーグ突破がノルマだ。この世代の選手たちは、ほとんどが無名だと思う。選手たちの写真を、渋谷あたりに集まっている人に見せて、果たして何人が名前を言えるか疑問だよ。
 
 U-20代表は厳しいアジア予選を1位で突破しているのに、反響は薄かったよね。世間一般の認知度はおそらく低いはず。その現実を前にして、自分たちの存在を強くアピールするためには、とにかく本番で結果を出すしかないんだ。

 決勝トーナメントに進めなければ、メディアに取り上げてもらえず、たいした話題にもならないまま、フェードアウトしてしまうだろうね。帰国の途に就いた選手たちが、所属クラブに戻ってレギュラー争いを勝ち抜けるかどうか不安だ。

 A代表に引き上げたくなるような候補者も出て来ないんじゃないかな。日本サッカーの底上げを考えても、せっかくの世界大会に“参加”するだけではダメなんだ。
 今回のチャンスを生かすも殺すも、彼ら次第。ここで活躍できれば、A代表入りや海外移籍など、いろんな道が拓けるかもしれない。
 
 できるだけ多くの人たちに知ってもらいたいのも、この世代の選手たちはそのまま2020年の東京五輪で中心となるメンバーだから。その前哨戦とも言える国際大会で失敗したら、3年後のビッグイベントに向けて勢いが削がれてしまうよ。
 
 注目度が低いまま五輪を迎えても、盛り上がりに欠ける可能性がある。メダル獲得への強化という意味でも、世界の舞台で自分たちは戦えるんだという自信を掴んでほしい。

 グループリーグでは、南アフリカ、ウルグアイ、イタリアと戦う。3か国を比較して、一番力が劣ると見られる南アフリカと初戦で当たるのは、悪くない。ここでしっかりと勝利を収めて好スタートを切れれば、チームも乗ってくるはず。もちろん、簡単なゲームはひとつもないけど、こういった大会は初戦が重要になってくるからね。

 世代別の国際大会は、サッカー選手のキャリアを築くうえで、貴重な経験になる。ただし、U-20代表の面々を“若手”と表現することには違和感を覚えるよ。
 
 先日のチャンピオンズ・リーグ準々決勝のドルトムントとモナコの試合で、2試合合計で3ゴールを決めてベスト4進出に貢献したモナコのムバッペ、あるいは本田の所属するミランで正GKとしてバリバリやっているドンナルンマは18歳だ。
 
 世界を見渡せば、トップレベルで活躍している10代の選手は少なくない。でも、日本ではいまだ20歳前後の選手たちを若手と括ることで、即戦力でなくても仕方がないという風潮があるよね。

 例えば、一般企業では大卒の22〜23歳は新人と呼ばれる。こうした概念が多分に影響しているのかもしれない。世間的にはそうかもしれないけど、サッカー界は違うんだ。
 プロである以上、年齢は関係ない。出場試合数がゼロだとしても、ルーキーをその後、2年、3年と面倒を見る傾向が強い日本とは違い、海外では結果が出なければ、悠長に成長を待つようなことはしない。すぐに戦力外と見なされて、放出された選手は、カテゴリーを落としても活躍できなければ引退だ。

 そういう厳しい世界だから、競争を勝ち抜いた海外の10代は逞しいよね。もっとも、日本のティーンエイジャーの育て方にも問題があるのかもしれない。試合に絡めなければ、練習ばかりの日々で、どうしても実戦から遠ざかってしまう。
 
 ルヴァンカップに出ることはできても、コンスタントな出場にはつながらない。U-23チームを作ってJ3に参戦しているのは、FC東京、G大阪、C大阪の3チームだけだ。

 こうした現状を踏まえて、任意参加のサテライトリーグを、09年以前の全クラブ参加に戻したらどうか。トップの前座試合をこなして、試合勘を養えばいい。
 
 U-20代表候補にも、クラブで実戦から離れている選手がいるよね。その世代でエースと言われている小川は今季、ジュビロで何試合に出ているのか。本気で育成を考えるなら、抜本的な改革が必要だと思う。試合に出なければ、選手として錆びれていくだけだよ。