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●ガーミンは何のメーカーか
国内のウェアラブル市場が慌しくなるかもしれない。GPS搭載デバイスを多数製造するガーミンがターゲットを拡大して市場開拓を進めようとしているからだ。

○知る人ぞ知るメーカー

ガーミンはスイスに本社を置くGPS搭載デバイスメーカー。米国株式インデックスS&P500の採用銘柄に指定されており、2016年度の売上見込みは3,000億円と規模は大きい。自動車、船舶、航空機業界と深く関わりを持ち、それらの業界で培った品質基準をもとにコンシューマー製品に展開しているが、これまでは知る人ぞ知るメーカーだったかもしれない。

特にマラソン、トライアスロン、自転車競技で利用するGPS搭載デバイスといえば、ガーミンが筆頭に上がるほど認知度は浸透している。しかし、健康維持を目的にフィットネスに取り組むライト層への認知拡大には課題を残していた。

そこで今回、ガーミンの日本法人ガーミンジャパンでは、新製品を発表するとともに、新たな戦略を発表。女性層など新たな層の開拓を進めるとともに、スポーツ、健康、美容、安全をキーワードとして認知拡大を目指す。

そのために、ブランドアンバサダーとしてタレントの道端カレンさんを起用した。道端さんはモデルであり、2児の母であり、トライアスリートであり、多様な側面を持つ。トライアスロンでは日本トライアスロン連合の年代別2016年ランキングで3位に位置づる実績の持ち主。本格派でありながら、女性まで広くリーチできる多様性からアンバサダーのイメージに適合したようだ。

また、カテゴリーアンバサダー4名を発表し、各種イベントや大会においてガーミン製品のブランディング活動を行っていく。

●ウェアラブル市場の見立て
新製品はランニングフォームの解析が行える「ForeAthlete 935」といったアスリート向けスポーツウォッチのほか、今回の戦略になぞらえて、幅広い層にアプローチできる製品群を揃えたことをアピールする。ストレスや睡眠の質をチェックするアクティビティトラッカーの「vivosmart 3」、ガーミン初の子供向けライフログバンド「vivofit jr」だ。

さらに今後は大胆な広告投資、イベントスポンサーなどを通じて日経ブランド価値TOP500を目指すとともに、ビジネス規模を昨年比3倍を目指していくという。

○ウェアラブル市場の今

目標は高いが、気になるのは、ウェアラブル市場に盛り上がりが欠けていることだ。しかし、ガーミンジャパンの岩田元樹ダイレクターは、調査会社のデータを持ち出し市場が伸びていると話す。「2016年における日本の市場は前年比170%と伸びており、まだまだ可能性がある」(岩田氏)。

さらに「日本においても健康志向は高まっていく。年をとれば体に変調をきたす。デバイスから得られるデータを活用しながら健康管理をいかに進めるかが課題になってくると思う。健康、美容分野でもソリューションを提供していきたい」(同氏)という。

目標達成のためにはターゲットの拡大が欠かせないが、それはアップル、サムスン、フィットビットなどがライバルになることも意味する。アスリート向けでは確固たるブランドを築いたガーミンだが、狙う先には強力なライバルが多数いるのだ。ビジネスパートナーとの関係強化を図り、ガーミン製品の良さを訴え、ブランドイメージを浸透させたいというが、果たして、それで達成できるのか。今後の動向に注目したい。

(大澤昌弘)