航空連合4月11日にがオープンした特設サイト「空港の裏方お仕事図鑑2017」。キャッチコピー"空港を支える、誇り高き裏方たち"はグランドスタッフなど空港で働く従業員のこと

写真拡大

 いつの時代も、パイロットや客室乗務員は、子供たちの憧れの仕事だ。学研HDが4月6日に発表した男子中学生の「なりたい職業ランキング」でも、パイロットは「医者」「大工・職人」に次ぐ、10位にランクインした。しかし、そんな子どもたちのあこがれの職業を支える裏方に今、危機が訪れている。

◆2400万人超の訪日外国人

 2020年の東京オリンピック開催を控え、日本を訪れる外国人観光客の数は2011年以降、右肩あがりで上昇している。

 日本政府観光局の資料では、2011年に622万人だった外国人観光客数は2013年に1000万人を突破。過去3年間の数値を見ても、2014年1342万人、2015年1974万人を記録。2016年には2404万人と、過去最高を更新している。さらに、訪日外国人は2020年には4000万人、2030年には6000万人、訪日外国人観光客による消費額は15兆円にまで到達するというデータもある(出典:「明日の日本をさせる観光ビジョン構想会議」)。

「2015年度は年間で約124万5000回も飛行機が全国の空港に着陸しています。これは1日平均3400回にもなります。今後は現状からさらに2〜3倍の訪日外国人旅行者を空港で受け入れる必要性があります。当然、人材不足の解消は大きな課題となってくる」

◆「航空関連産業に関心を持ってもらいたい」

 そう語るのは、JAL(日本航空)、ANA(全日空)など国内54の企業別組合で構成される「航空連合」会長・松岡宏冶氏。2014年頃から「採用が計画通りに進まない」や「離職率が増加している」と言った声が出てくるなど、空港業界では人手不足が大きな問題となっている。

 航空連合は4月11日、業界の魅力を発信する独自の取り組み「空港で働く魅力発信プロジェクト」について記者発表した。とりわけ重視するのは、チェックイン・案内、コントロール業務などを行う「グランドスタッフ」、マーシャリングや手荷物・貨物塔降載、機内清掃などを行う「グランドハンドリング」、荷物の受託、計量、搭載計画の立案などを行う「貨物」の3職種だという。

「グランドハンドリングは屋外での作業が主になる。夏は炎天下で、冬は雪が降ることもあります。過酷な仕事であるうえ、お客様と直に接する機会もめったにないため、なかなかやりがいを実感しにくい。PRは航空連合ならではの独自性を追求し、特定の企業イメージに依存しないものにした。航空関連産業という職種に関心を持ってもらいたい」(前出・松岡氏)

 航空連合は4月11日より特設サイト「空港の裏方お仕事図鑑2017」をオープン。サイト上では航空業界で働く人たちのアツい思いを紹介した動画「働く空港あるある!? ソング 〜裏方編〜」などのコンテンツが公開されている。

 会見後には、羽田空港内にある「AMC」(Airport Management Center)と呼ばれるコントロールルームを記者向けに公開。ここでは羽田空港から離着陸する飛行機の運航スケジュールや、羽田空港内のANAの手荷物の管理を行っている。

 その日の気象条件や空港全体の飛行機の状況などを総合的に分析し、飛行機の渡航や欠航などを判断する。まさに空港にとっての心臓部にあたる施設であり、スタッフが24時間365日駐在し、緊急事態に備えている。

 航空業界と言えば、花形と呼ばれるパイロットや客室乗務員といった職種に、とかく注目が当たりがちである。しかし、訪日外国人旅行者に対応させるべくマンパワーを増やすためにも、こういった「地上職」と呼ばれる職種の人にもスポットを当てる必要があるだろう。

<取材・文/HBO取材班>