作品の完成度に太鼓判

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 「ゼロ・グラビティ」のオスカー監督アルフォンソ・キュアロンと、同作で共同脚本を務めた息子ホナス・キュアロンが再タッグを組んだ「ノー・エスケープ 自由への国境」のトークイベントが4月24日、都内で行われ、ドキュメンタリー監督の松江哲明、映画ライターの高橋ヨシキ氏が対談した。

 ホナスが監督、アルフォンソが製作を手がけ、第89回アカデミー賞外国語映画賞メキシコ代表に選ばれたサバイバル劇。アメリカへの不法入国を試みるメキシコ移民たちが謎の襲撃者に狙われ、摂氏50度という過酷な状況下、水分も武器も通信手段も持たない極限状態で壮絶な逃走劇を繰り広げる。「バベル」のガエル・ガルシア・ベルナルが主演を務め、テレビドラマ「ウォーキング・デッド」のジェフリー・ディーン・モーガンが共演する。

 松江監督は「90分以内という尺も含めて、伝えたいことをしっかり伝えているし、考えさせる余地も残している。映画を作ったタイミングも今の時代をとらえている」と魅力を語り、「最近のメキシコ勢は、お父さん(アルフォンソ)や(アレハンドロ・ゴンサレス・)イニャリトゥも含めて、抑制が利いた作風になっているし、それがヒットして賞も取っている」と近年のトレンドを指摘した。

 これに対し、高橋氏も「過剰にしないイズムですよね。泣けて終わってもいいのに。息子さんが『ゼロ・グラビティ』のコンセプト担当だと考えると納得いく」と同調。一方で、「お父さんは本来、過剰にしたい派でケレン味の人。もし、この作品をお父さんが撮ったら、地面の中をカメラがバーっと入っていくかも」。松江監督も「全編ワンシーンワンカットとか(笑)」とアルフォンソ版「ノー・エスケープ」に妄想を膨らませた。

 「ノー・エスケープ 自由への国境」は、5月5日から全国公開。