マイアミ・オープン準々決勝で敗れた錦織圭【写真:Getty Images】

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満身創痍の錦織、右手首痛再発で縁起いい大会を回避、コートに立てず

 男子テニス錦織圭(日清食品)は右手首痛のため、開催中のバルセロナ・オープンを回避した。今季は故障に苦しみ、タイトルから遠ざかっている世界ランク7位の強豪の不在によって、恩恵を受けるフランス人の存在がクローズアップされている。米メディア「ブラスティング・ニュース」が特集した。

 錦織はATP500シリーズのバルセロナ・オープンを故障により、出場回避することを大会主催者を通じて発表した。

「ケイ・ニシコリの悲惨な2017年ATPツアーは続くことになる」

 記事の大会展望では、錦織の今シーズンは悲観的なトーンで紹介されている。

 1月のブリスベン国際の準優勝で幕を開けた今季。全豪オープンは4回戦で王者ロジャー・フェデラーに敗れ、2月のアルゼンチン・オープンは準優勝。続くリオデジャネイロ・オープンでは、よもやの1回戦負けを喫した。3月のBNPパリバ・オープン、マイアミ・オープンとハードコートでの連戦は準々決勝で敗れており、序盤戦でタイトルを獲得できず。同月のマイアミ・オープンでは左膝と右手首を負傷していた。

 しかし、今大会は第2シードで出場予定だった錦織にとって、今大会は2014年と15年に連覇した縁起のいいトーナメント。復調を示す上で絶好の舞台だったが、手首痛の再発により、コートに立つことすらかなわなかった。

錦織の回避で恩恵?「フランス人選手に本当に大きな幸運をもたらす」

 世界ランクを最高位の4位から7位に落としている錦織の今季について、記事も憂いている一方で、錦織の不在はある男に恩恵をもたらすという。

 世界ランク49位のブノワ・ペア(フランス)だ。

「トーナメントの欠場で大会に修正がもたらされたが、第17シードのブノワ・ペアが最大の恩恵を受けることができそうだ。ハイシード選手の棄権により、彼は押し上げられ、初戦のプレーを回避することになる。彼は実際にナンバー2シードの立ち位置となる。錦織の欠場はフランス人選手に本当に大きな幸運をもたらす」

 特集では、このように指摘。錦織と対戦予定だったペアは2回戦から登場し、世界ランク65位のマルセル・グラノリェルス(スペイン)との初戦を迎えることになった。

 世界ランク1位のアンディ・マレー(英国)を筆頭に、ラファエル・ナダル(スペイン)、ドミニク・ティエム(オーストリア)、ダビド・ゴフィン(ベルギー)と実力者の揃ったバルセロナ・オープンで錦織の不在は影響をもたらしているが、本来は強豪相手に実力を発揮してもらいたかったところである。

 5月には今季のグランドスラム第2戦の全仏オープンが控えており、満身創痍の錦織は万全の状態で戦線に復帰できるのか。一日も早い回復を願うばかりだ。