60年以上も「性」に苦悩したケイトリン・ジェンナー

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男性“ブルース・ジェンナー”として何十年も暮らしたものの、「これは本来の私じゃない」という違和感を抱き続けてきたキム・カーダシアンの元養父。彼の苦悩は大きく、結局は「女性として残りの人生を過ごす」と決意しケイトリン・ジェンナーとして第二のスタートを切った。そのケイトリンがこのほどインタビューに応じ、「今の私に混乱した部分は微塵もないの」と明かした。若い頃にはオリンピックに出場し、3度の結婚で父親にもなったケイトリンは今、ひとりの独身女性として余生を過ごしている。

子供の頃から自分の性に違和感があり、2015年になるまでカミングアウトできずにいたケイトリン・ジェンナー(67)。その彼女がこのほど『20/20』に出演し、今の心境をこう語った。

「ハッピーで、平穏よ。そう、魂の中から平和を感じるの。あの混乱した気持ちはもう消え去ったわ。」
「(カミングアウトして女性として生き始めたことは)正しいことだったのよ。」

またカミングアウト後は女性として雑誌の表紙を飾り世間を驚かせたが、子供達は少なからず戸惑った様子をみせたという。しかしケイトリンは大きくなった子供達に自分の気持ちをこのように説明したそうだ。

「私は65年間も苦しんできたのよ、分かる?」
「自分の素の姿を美しく撮ってもらうことは、私には大事なことだったの。」

そんなケイトリンも、男性として暮らしていた時期には苦悩の深さゆえに鬱を経験。ついには自身の死後につき家族に“ある依頼”をするようになったという。

「そうなの。それまでの人生でずっと考えていたことよ。こう言ったの。私が死んで遺体を埋葬するときは、女性の服装で埋めてほしいとね。だって、私はそういう本来の姿で天国に行くつもりだったから。」

60代になるまで必死に本来の姿を隠し、メディアに女性化をすっぱ抜かれそうになった時には自殺を考えたというケイトリン。しかし女性として堂々と生きる今、人々から「愛してる」「あなたのおかげで自殺を思いとどまった」と声をかけられることもあるという。しかしカミングアウト後も男性にはアプローチされていないといい、今も子供達を何より大事に思い暮らしている。
(TechinsightJapan編集部 ケイ小原)