わたしたちの身体は、食事から摂取した栄養素を元に、細胞から放出される熱を産生しています。一般的に熱を産生するエネルギーといえば炭水化物が有名です。そのため炭水化物を制限しすぎると体が冷えやすく感じるのはこのためです。しかし熱を産生する栄養素は炭水化物だけではありません。実はたんぱく質、それも「サルコリピン」と呼ばれるたんぱく質が熱を産生する栄養素として注目されています。聞きなれないたんぱく質「サルコリピン」とはどのような栄養素なのかをご紹介。

筋肉から熱を産生する「サルコリピン」

サルコリピンはたんぱく質の一種です。サルコリピンは身体の筋肉に作用し、熱を産生させる働きがあります。実はこのサルコリピンと呼ばれるたんぱく質は、最近発見されたもので、まだまだ詳しい特徴は解明されていませんが、マウスの試験ではサルコリピンを多く有するマウスは、そうでないマウスと比較してより多くの熱を産生していた、と報告されています。決定的なメカニズムはまだ明らかにされてはいないものの、サルコリピンには熱を産生させる働きがあるということだけがわかっているのです。

筋肉をつけると「サルコリピン」が増えて
冷え性を改善する!?

サルコリピンは筋肉に多く含まれていることから、サルコリピンを有する量は、筋肉量に比例するものだと考えられています。これは確かに納得のいく話で、筋肉量の多い人の方が、身体の熱産生能力に長けています。筋肉をつけることは、代謝をあげ、冷えを改善することが知られていますが、これも筋肉量が多ければサルコリピン量が増えることと関係していると考えられます。代謝の低下や冷えがきになる人は、やはり筋肉を増やすことが大切であることに間違いなさそうです。

サルコリピンが肥満や糖尿病にアプローチする!?

他にもマウスの試験ではサルコリピンを多く有するマウスは、脂肪が蓄積されにくく、血糖値が上昇しにくい傾向にあることも確認されています。確かに筋肉量の多いヒトにおいても脂肪が蓄積されにくく、血糖値が上昇しにくい傾向にあるので、これも十分納得のいく話です。サルコリピンは冷え性の改善、肥満や糖尿病の改善に効果が期待できると注目されています。

まだまだわからないことの多いサルコリピンですが、筋肉とダイエット、筋肉とアンチエイジング、筋肉と生活習慣病予防と、すべて関係していることに間違いなさそうです。


writer:サプリ編集部