(写真提供=SPORTS KOREA)日本人観光客が戻ってきた明洞

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中国が「高高度防衛ミサイル(THAAD)」配備と関連して“禁韓令”を出したことで、中国人観光客が減少している韓国。韓国国土交通部によると去る3月、中国-韓国路線の旅行客は22.5%も減ったという。

政治的な理由以外からも中国人観光客の減少は危惧されていたが、いよいよ表面化してきた格好だ。韓国を訪れた中国人観光客は、2月の59万790人から3月37万2000人(韓国観光公社の推定値)と急減している。
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狙いを“日本人観光客”に定めた韓国

それでも韓国の国際線の利用客は、昨年同月よりも9.6%増の607万人を記録。

日本と東南アジア観光客が増加しているからだという。

韓国メディアの取材に応じた仁川空港関係者が「中国政府が韓国旅行の禁止措置をとったが、まだ仁川空港に与える影響は大きくない」と話すほどの成果だった。

実際に3月の数字を見ると、韓国を訪れた日本人観光客は27万人(韓国観光公社の推定値)となっており、1月の15万4800人、2月の18万5000人から大幅に増加している。

日本政府観光局(JNTO)によると、3月の日本人出国者数は前年比12.1%増の173万9000人となっており、中国や韓国など「近隣諸国のボリュームゾーンへの旅行者が戻ってきている」ことがトレンドだそうだ。

「“ニーハオ”の代わりに“コンニチハ”」
「ユーカー(中国人観光客)で空いた席を日本人観光客で」
「ユーカーの消えた明洞(ミョンドン)で増える日本・東南アジア観光客」

これらは中国人観光客激減に苦しむ明洞などの観光スポットの状況を報じる韓国メディアの見出しだが、その文面からもわかる通り、商魂たくましい韓国の商店などは、中国人観光客の代わりに日本人観光客の誘致に総力を上げているわけだ。

実際、最近はあの手この手で日本人観光客を呼び込もうと必死だ。

例えば、中国観光客依存度が70%以上だったロッテ免税店は最近、東京や大阪で「韓国旅行商品博覧会」を開いた。ギャラリア免税店も数多くの旅行会社と、日本人観光客の「送客契約」を結んだという。

釜山市と釜山観光公社は、日本人観光客誘致のためにJR九州高速船と共同で、釜山ウォーキングツアーなどを開催していくそうだ。

韓国の旅行関連会社がこぞって中国から日本へシフトしているわけだが、韓国を訪れる外国人観光客が増えたことでトラブルも急増しているという。

身近なところでは、タクシー絡みの揉め事も多発しており、無視できない社会問題になっているとの指摘も絶えない。

いずれにしても中国人観光客が見込めなくなった今、韓国が日本人観光客を集めようと注力しているのは確かだろう。はたして思い描いた通りの結果が生まれるのか。注目していきたい。

(文=慎 武宏)