血気盛んな若者がキレやすいと思いきや、些細なことでキレるのは、むしろ中高年が多いという。その心の底には、意外な理由が潜んでいた

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駅のホームや病院の窓口など、公共の場所で激昂し、キレる中高年が増えている。しかもそうした人たちは一見、見た目も普通で良識がありそうな男性に多いという。なぜ中高年はキレるのか。(フリーライター 光浦晋三)

中高年だからこそキレる
その危ない実態

 ごく最近、70歳過ぎの男性がキレる瞬間を見たことがある。夕方のスーパーで、幼稚園の女児が商品棚に隠れ、母親相手に1人でかくれんぼを始めていた。母親は女児に「やめなさい」と小声で叱るのだが、女児はニコニコ笑って遊び続けている。冷静に見て、それほどうるさいという感じではなかったと思う。

 
ところが突然、女児の近くにいた男性が「うるさい。クソガキ!ここは遊ぶ場所じゃない!」と大声で女児に怒鳴ったのだ。母親が女児のもとに急行すると、男性は母親に対しても「前から言おう言おうと思ってたんだ。最近のガキはうるさい。親のしつけもなってない。そもそもな…」と激怒。母親は「すいません」と謝るのみだった。男性はなおも「こんなんじゃ気持ちよく買い物ができないだろ。お前らのせいで、食べ物がおいしくなくなるんだ」などと怒鳴り続けた。


 恐らく店内の別の棚を見ていたのだろう、そこに女児の父親が戻ってきた。見知らぬ男性が妻子を“罵っている”ところを見るや、「やめろ。うちの子どもも悪いけど、あなたの声もでかいですよ。子どもが怯えてますよ」とキレる男性の前に立った。すると男性は急に黙り込み、そのまま店を出て行ってしまった。


 中高年のキレやすさを端的に示すデータはない。しかし、全国のJRと私鉄計33社が2016年夏に発表した「鉄道係員に対する暴力行為の件数・発生状況について」によると、15年度の暴力行為は792件で、20代以下は127件(16%)、30代は149件(18.8%)、40代は140件(17.7%)、50代は153件(19.3%)、60代以上は188件(23.8%)、不明は35件(4.4%)となっている。

 40代以上の中高年が481件で60%を占めている計算となる。駅員にキレるのは自制心がなく、精神的に未熟な若者のイメージだが、実は中高年が多くキレているのだ。

 ブログ「プラセボのレシピ」での情報発信を行う医療法人社団榎本会榎本クリニック池袋の山下悠毅院長は「なぜ、いい年をした中高年がキレるのか。そんな思いの方は少なくないと思います。しかし、私に言わせれば、むしろ中高年だからこそキレるのです」と指摘する。


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