写真:労働新聞(電子版)より

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 北朝鮮を巡る緊迫感が、過去に例を見ないほど高まっている。「金王朝」の3代目である金正恩国家委員長が、自らの「独裁体制」維持のために世界の世論に背いて着々と核開発を進め、それが米国の安全保障を脅かすまでになっている。そのこと自体は言語道断の話だが、状況をより複雑にしているのが、事態が中国・米国・ロシアという三つの大国のエネルギーが対峙する朝鮮半島で起きていることだ。大国同士の思惑が絡んで、一筋縄では行かないことになっている。こうした状況下、北朝鮮を巡る今後の展開を、門外漢である経済学者が大胆に予想してみる。

複雑に絡む米中露の利害
地政学的リスクが金融市場に波及も

 今回の緊張の発端は、北朝鮮が、米中の首脳会談を控えた4月5日に、ミサイルを発射したことだ。米国は6日、シリアへのミサイル攻撃を通して北朝鮮に警告を発した。米国が軍事力の行使を仄めかしているにもかかわらず、北朝鮮はその意向を尊重しようとしていない。北朝鮮は核開発を進め、状況によっては先制攻撃も辞さない考えを表明した。これに対して、米国は“あらゆるオプション”を排除しない考えを示している。「すわ、第2次朝鮮動乱」勃発かと世界が朝鮮半島での有事勃発に身構えるのも無理はない。

 金独裁体制の後見人としての役割を担ってきた中国でさえ、金正恩氏をコントロールしきれていない。北朝鮮は中国を無視し始めてさえいる。この状況が続く場合、朝鮮半島を巡る情勢が更に緊迫化し、一触即発の事態に至るとの見方が増えている。

 実際、金融市場の参加者の間では「本当に、朝鮮半島で有事の事態が発生するのではないか」といった懸念が強まっている。経済問題と異なり、米国がいつ、どのように軍事作戦を展開するかなどのリスクを予見することはかなり難しい。

 そのため、多くの投資家は先行きを懸念し、株式などのリスク性資産を売り、リスク回避を重視し始めている。この状況が続くと、投資家や消費者の心理が悪化し、緩やかな景気回復を続けてきた米国経済に変調が現れるリスクも排除しきれない。世界の経済全体が米国に依存して安定を保っているだけに、地政学的リスクの上昇が金融市場、実体経済にどういった波及リスクをもたらすかは軽視できない。

 ただ、悲観論が先行してしまうと、そこから議論を進めるのは難しくなってしまう。今後の展開を冷静に考え、将来の事態に対応するためには、客観的な視点から、望ましい状況を想定し、それが実現できるか否かを考えてみることも必要だ。

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