あの人は、どんな性格なのか? どうすれば、親しくなれるのか? 春は新しい出会いが生まれる時期なので、何かと人間関係に頭を悩ますことがあります。

そこで注目したのが、日常生活でよく見かける「仕草」。人はなぜ、その仕草をしたのか。仕草だけでは読み取れない、本当の意味を知ることで、その人の性格や今の心理状態がわかるかもしれません。今回も、作家で心理学者の晴香葉子(はるか・ようこ)さんに、「仕草」にまつわる行動心理について話を聞きました。

晴香葉子(はるか・ようこ)/作家・心理学者・心理コンサルタント
harukayoko_prof.jpg 東京都出身。文学修士(コミュニケーション学)。早稲田大学オープンカレッジ心理学講座講師。テレビ、ラジオ、雑誌など、メディアでの心理解説実績多数。現在は、大学院博士課程に在籍し、研究を進めながら、行動心理学・消費者行動・コミュニケーション学など、さまざまな角度から情報を提供。著書多数。近著に『2回目からは、スーツのボタンは外しなさい』(潮出版社)がある。公式サイト


よく見る仕草を理解して、人間関係を高める方法


晴香さん:仕草は、たまにする人とクセとしていつもしている人に分けられ、それぞれ行動心理が異なります。ただ、いずれも、その人が知らず知らずのうちに心の内を表現しているボディーランゲージです。ネガティブにとらえずに、その人を知る手がかりとして、コミュニケーションに生かしていただければと思います。


【鼻をさわる】

会議や打合せの最中に話をしながら鼻をさわるのは、ウソをついてごまかしたり、本心を隠したい意思の表れです。また、退屈で話を切り上げたい場合にも行うことがあります。

また、鼻をさわるクセがある人は、恥ずかしがり屋です。もし、何か注意する場合は、周囲に誰かがいると恥をかいたと傷ついてしまうことがあるので、人前で叱らないようにしましょう。


【頬杖をつく】

デスクで頬杖をついているとしたら、心ここにあらずの状態です。単に退屈しているのではなく、恋愛や仕事、家庭など、その場とは違う、個人的な課題を抱えている場合もあります。もし、相談にのろうと考えているなら、職場での解決は望んでいないこともあるので、仕事終わりにご飯などへ誘って話を聞いてあげましょう。

頬杖をつくクセのある人の中には、まわりのことが目に入らない、自己中心的な性格の人もいます。つい気になってしまいますが、関わることが必ずしもプラスに働かないので、そっとしておくのが一番です。


【眉を動かす、額にシワがよる】

あなたとの会話や意見に興味や関心が高く、驚いたり、おもしろがって楽しんでいる状態です。眉を動かしたり、額にシワがよることが多い人は、感情表現が豊かで、何事にもに前向きであったり、好奇心旺盛の人やポジティブ思考の人もいます。いずれのタイプも、相手の喜怒哀楽に合わせて同じ表情をすることで、お互いをわかりあえる関係性が高まります。


【独り言】

たまにボソッと言う人は、自分の考えが頭の中で整理できていないので、そのストレスを言葉にして吐き出しているわけです。性格的には、自己顕示欲が強く、周囲からの注目を期待しているタイプと言えます。

よく独り言をつぶやく人は、小さな子どもに独り言が多いように、幼稚性が高めで、精神的に不安定であったり、疲れがたまっている場合もあります。自分ひとりでは手に負えず、誰かに聞いてほしいから言っているので、それに付き合ってあげることも大事です。「どうしたの?」「わかるよ」とすぐに同調・共感してあげると、ストレスを発散しやすく、頭の整理が強化されるので、サポートしてあげてください。


【髪をかき上げる】

髪の毛をさわるのは、異性や人の目が気になり、自意識が高まっている状態です。それがクセになっている人は、自分が人にどう見られているかが気になるナルシスト。そうした人たちが苦手な人もいるかと思いますが、仕事上の人間関係を良好に保つためには、よいところを見つけて積極的に褒めることも大切です。

たとえば、部下と一緒に打ち合わせに出席した場合は、打ち合わせ後に「すごくよい意見だったと思うよ」「クライアントが真剣に話を聞いていたよ」など、仕事上のことで"相手に良い影響を与えた"と実感できる褒め方をしましょう。安心感や達成感が高まると同時に、信頼関係が深まります。


【頭をかく】

みなさんも気づいているかと思いますが、失敗したり、ウソがばれたり、ちょっと下手に出ないといけない時に頭をかくことが多くあります。ただ、いつも頭をかいている人は、かわいがられキャラとして、誰かに帰属したい、傘下に入りたいと考えている場合も多いです。

そのような人の場合は、愛すべき対象として、褒めるだけでなく、「中身は別として、声だけはいつもでかいなぁ」「やる気だけは一人前だね」「髪型だけは、いつもかちっとしている」など、褒めつつもユーモラスに軽くディスると親和性が高まり、ギュッとよい人間関係を構築できます。もちろん、不必要に傷つけしまうことの無いように、言い方は工夫しましょう。


【唇をなめる】

唇が乾いている時は、不安要素があり、「こうならないで欲しい」と状況を見守っている状態です。いつも唇をなめている人は心配性も多いので、「何かあればいつでも言ってね」と声をかけ、相談役になる用意がある、見方であることを伝えると信頼関係が培われ、慕ってくれるはずです。


「なくて七癖」のことわざの通り、誰しも少なからずクセがあり、ついしてしまう何気ない仕草があります。これまでは、何も考えずに見逃していましたが、そこに相手を知るヒントが隠されているのであれば、前向きな人間関係をつくるために役立てていきたいですね。


(文/香川博人)
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