4月15日、北朝鮮の平壌で実施された軍事パレードで登場した大型の新型ミサイル Image Credit: KCTV

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 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は4月15日、首都の平壌で、故・金日成主席の生誕105周年を祝う軍事パレードを実施した。

 折しも時同じくして、同国北東部の咸鏡北道(ハムギョンブクト)の豊渓里(プンゲリ)にある核実験施設では、核実験に向けたものと見られる動きが確認されており、さらに米国の空母打撃群が北朝鮮に向かっているとの報道もあり(後に、実際にはインド洋へ向かっていたことが判明)、緊張と懸念が高まっていた中での開催となった。

 この全世界が注目したパレードで、北朝鮮は6種類の弾道ミサイルを披露した。中でも最も注目を集めたのは、今回が初披露にして、これまで存在が確認されていなかった、2つの大型ミサイルだった。

◆ロシアのトーポリ級?固体推進剤の大陸間弾道ミサイルか

 この2つの大型ミサイルのうち、最も驚きをもって迎えられたのは、最後に登場した、ひときわ巨大なミサイルだった。

 厳密には、ミサイルは発射筒(キャニスター)の中に入った状態でTEL(ミサイルの輸送と起立、発射ができる車輌)に載せられているため、外からミサイル本体が見えるわけではない。ただ、ミサイルはキャニスターの内部いっぱいに収まっていると考えられるため、だいたいキャニスターを一回り小さくしたものが、ミサイル本体の大きさと考えてよい。

 ミサイルの寸法は、周囲の人間との比較から、おおよそ直径2m、全長は20m超とみられる(中継画像からの比較なので正確さに欠ける推察であることに注意されたい)。また、ミサイルが載っているTELとの比較からも、この数値に近くなる。ちなみにこのTEL自体は、過去のパレードでも確認されており(そのときは別のミサイルを載せていた)、また中国が生産している特殊な輸送車輌と姿かたちがよく似ていることが知られている。

 このミサイルの大きさは、かつてソ連が開発し、現在もロシアが運用している大陸間弾道ミサイル「トーポリ」や、その改良型「トーポリM」に近い。トーポリは3段式のミサイルで、1トンほどの弾頭を載せることができ、射程は1万kmを超えるとされる。仮に今回の北朝鮮のミサイルが同等の性能をもっているとすれば、北朝鮮から直接、米国の本土を狙えることになる。

 また、このトーポリのようなミサイルのひとつ前にも、大きなキャニスターに収められたミサイルが披露された。ただ、TELはトーポリ風ミサイルのものとは異なり、通常のトレーラーを改造したような形をしており、タイヤの数も少ない。またトレーラーもキャニスター、ミサイルも少し小さいように見える。人やトレーラーとの比較などから、直径は1.5m、全長は10m超ほどだろう(くりかえしになるが、中継画像からの比較なので正確さに欠ける推察であることに注意されたい)。

 この大きさは、中国がもつ中距離弾道ミサイル「東風21」に近い。東風21は600kgの弾頭を載せることでき、射程は1500〜2000kmと考えられている。もしこのミサイルが同等の性能をもっていれば、北朝鮮から日本全域を狙えることになる。

◆コールド・ローンチ式の大型固体ミサイル

 この2種類の正確な寸法や詳しい性能はさておくとして、注意すべきところは、両者ともにコールド・ローンチ式にして、そして固体推進剤を用いる大型のミサイルであるという点にある。

 ミサイルが入っているキャニスターは、ミサイルを輸送する際のケースの役割だけでなく、発射台そのものにもなる。まずキャニスターの中にガスを発生させ、そのガスの圧力でミサイルを外に押し出す。そしてミサイルは空中でロケット・エンジンに点火し飛行する。

 こうした発射方法のことを「コールド・ローンチ」といい、地上でエンジンに点火して飛んでいくミサイルよりも、敵の早期警戒衛星などからの探知を少し遅らせることができ、また発射装置が損傷しにくく、再使用しやすいといった利点がある(また、ミサイルの大きさやパワーが一定を超えると、コールド・ローンチをしなければTELが焼損する可能性もある)。