村井さんちの田舎ごはん「ホタテフライ」
空がキラキラと青く輝いて、風がさわやかな季節になってくると、途端にシンプルなものがおいしいと感じるようになるのは私だけだろうか。
たとえば、雪がしんしんと降り積もる寒い冬には、時間をかけて煮込んだ料理が五臓六腑に染みわたるように、命が芽吹きはじめる春は、新鮮で、瑞々しくて、シンプルな食べ物を身体が欲しがっているように思えるのだ。大きなマグカップに入れた温かいミルクティーが、氷のたっぷり入ったグラスに注がれた炭酸水に代わるように、季節の移り変わりとともに、身体も変化が必要なのかもしれない……なーんて、長い前置きが終わったところで、さっそく今週のレシピを紹介しよう。
心が躍るような美しい春を迎えた大人のみなさんにとって最高の贅沢。それはたぶん昼飲みだ。頬をなでる心地よい風と冷えたシャンパン(チューハイ&ビールでもいい)。テーブルの上には、スモークサーモンとサラダ(モツ煮込みとポテサラでもいい)。好きなあの人と、大好きな友達と過ごす、美しい春の日の週末の、かけがえのない時間。最高ではないですか。そんな時間に私が強力にプッシュしたいのが、今週紹介するホタテの貝柱のフライ。魚のフライよりも、少し軽めでとても食べやすい。そしてなにより、お酒によく合う(ここ重要)!
正直、なんの工夫もない。パン粉をつけて、揚げるだけだから。ただし、新鮮なレモン、フレンチマスタードは準備して欲しい(お好みでタルタルソースも是非)。
ちょっと工夫したいとか、心と時間に余裕がある時は、パン粉にハーブを混ぜるといい。揚げてから時間をおくとおいしくなくなるので、「揚げたら即、食べる!」という、串カツメソッドを忘れずにお願いいたします。
揚げたてを、友達と、家族と、恋人と、ハフハフしがら食べる。美しい景色を眺めながら、一気に食べる。それだけで、かなりしあわせなのだ。
材料 (2人前)
ホタテの貝柱 10粒
パン粉 適宜
小麦粉 適宜
卵 1個
レモン 適宜
フレンチマスタード 適宜
好きなハーブ 適宜
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